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これからの地域コミュニティ政策を考える −地域協働体の実態と提案−

■実態2:より快適に生きる(ウェル・ビーイング)ための地域活動が中心
地域協働体とは、前述のとおり、公共サービスの提供のほか、地域の課題に対して、自治会や町内会をはじめ、青年団、婦人会、シルバークラブ、地域協議会、NPO団体、PTA、一般企業など、多様な主体が連携する仕組みのことを示す。
しかし、公共サービスの提供において、消防団や防犯パトロール等の活動は伺えるものの、福祉の分野やPPP )により進められる公共施設の整備や運営・管理では、地域協働体の出番は意外に少ない。

地域協働体の主な活動内容は、地域のインフラ整備や管理、シビルミニマム )の担保など、これまで主に行政が担ってきた公共サービスを補完するというよりは、住民交流、環境美化・景観保全、文化・スポーツ、防犯・防災、青少年育成等で、より快適に生きる(ウェル・ビーイング ))ための地域活動が中心となっている。なお、これら活動内容は、地縁的な自治会や町内会活動と類似しており、実質的に自治会や町内会の広域連携組織として機能している。

以上のような地域協働体の実態を踏まえ、これからの地域協働体のあり方をより前向きに捉えるため、2つの提案を行う。

■提案1:地域自治区制度との一体化を図る
地域協働体に類似するものとして「地域自治区制度」がある。地域自治区は、住民自治の充実の観点から、区を設け、住民の意見をとりまとめる地域協議会と住民に身近な事務を処理する事務所を置くものとされ、平成16年の地方自治法改正により創設、制度化された。なお市町村合併に伴う地域自治区の事例は比較的多いが、合併を伴わない例は限られる。地域協働体は、行政と連携する地域の主体として位置づけられるが、地域自治区は特定の地区における自治組織として位置づけられる。

そこで、地域協働体は、地域自治区制度との一体化を図ることが重要であり、そのためには行政と地域協働体の関係性や役割分担の明確化=理念(概念)としての地域協働体を再定義(自治と協働による地域経営体)する。一方で、制度的裏づけとして、地域自治区制度を改変して、位置付けし直す(=協働の仕組みをプラスする)ことが有効である。

■提案2:経営資源の裏づけを持たせる
地域協働体や地域自治区制度において、その実をあげるためには、人、モノ、金等の経営資源の裏づけが求められる。地域協働体や地域自治区は、マンパワーは確保できても、モノや金などの確保は容易ではない。地域コミュニティの財源を明示した宮崎市などの取り組みはあるものの、地域協働体や地域自治区が独自の財源を確保することは難しい。
そこで財源論からの提案として、例えば住民税を市町村民税とコミュニティ税に分けて、市町村レベルと地域協働体や地域自治区レベルの財源(収支)を個々に確保することが考えられる。仮にコミュニティ活動が活発になり公的支出が抑制された場合には、コミュニティ税を減税することもその後の展開として想定される。

団塊世代が大量にリタイアする時代に伴い、地方自治体は税収減と行政需要増が見込まれる。このような状況では、より地域に近いところ(=地域コミュニティレベル)で、地域の実情に合ったVFM(Value For Money:投入資金に見合った価値の創出)の実現を図るとともに、地域コミュニティのメインプレーヤーとして、高齢者等の積極的な社会参加が期待される。

どちらの提案も越えるべきハードルは高い。しかし、将来の国と地方の財政状況を念頭に置いた場合、これまでのコミュニティ政策について一度棚卸しを行った上で、新たな展開について模索する時期に来ているのではないだろうか。

 

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