米大統領選の行方(10) 保護主義、TPPに懸念も

  政策・経済研究センター

 大統領選後の世界、また日米関係はどうなるだろうか。従来の延長ではない政策が展開される可能性もある。大統領選後を占うポイントとなる3つの政策を挙げよう。
 第1は、外交政策だ。まず、安全保障面では、世界の紛争への介入のあり方は候補者による温度差が大きい。ただ、アジアの安全保障政策では、中国の軍事力拡大が続く限り米国はアジア太平洋地域への関与を深めざるを得ない。このため日本など同盟国との連携強化が基本路線となろう。
 通商面では、保護主義色の強まりに注意が必要だ。2015年に大筋合意した環太平洋経済連携協定(TPP)は、米国の署名がなければ発効しない。年内に議会が批准する可能性もあるが、米国の雇用を脅かすなどの理由から、本来は自由貿易に賛成の立場のはずの共和党候補も反対または見直しを表明している。
 第2は、国内の経済政策だ。非主流派の経済政策が読みにくいほか、議会との対立により予算審議などが難航する可能性もある。政府機関の閉鎖などが頻発すれば、国際金融市場も混乱する。
 第3は、移民政策だ。中南米などからの移民の増加に対して雇用面・治安面での警戒感が高まっている。だが、移民が生み出す安い労働力と多様性が活力となって米国経済の成長を支えてきた面もある。バランスをどうとるかが焦点となる。
 日本にとって、米国は安全保障でも経済でも重要なパートナーだ。誰が大統領になるにせよ日米関係の維持・発展が大切なことに変わりはない。

最近の米大統領と世界の主な動き


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