蘇る埋もれたリソース

専務執行役員 政策・公共部門長  本多 均

 この4月から首都高とNEXCO東日本、中日本の3社で、首都圏3環状道路の起終点間では経路によらず同一料金を基本とするなどの料金改定がなされた。ETCの活用と3社間連携で、東京都心部通過交通を圏央道などに誘導し都心部渋滞緩和などを図るものだ。このほか東京都心部上空を飛行経路に活用することで、羽田空港の発着容量の拡大も検討されている。全国各地では、空き家の民泊活用、休耕地のメガソーラ活用、あるいは廃校や低利用な公共施設の用途転換、統廃合なども進められている。これらは、既存の低稼働な施設やインフラなどのリソースを、新たなニーズに対応すべく、ICTや新技術を用いてマーケティングや管理運営を行い有効活用するものだ。

 貴重だが見過ごされがちな埋もれたリソースには、人と時間がある。人口が減少する一方、健康寿命が延伸する中で、シニアや女性など皆が生涯を通して活躍することがますます重要になっている。時間の面では、例えば首都圏では、電車通勤者(定期券)約600万人/日が平均通勤時間120分/日強を費やしている。長時間就業が問われる中、週5日勤務で40時間労働のため通勤に10時間、金額換算で日々250億円相当を損失している勘定だ。テレワークなどの働き方改革が注目されるが、より重要なのは、この大きな時間損失を削減し有効に活用することで、企業や社会を活性化することだ。

 全国の基礎自治体で進む地方創生でも埋もれたリソースの活用が注目されている。財政的自立と成長を目指す上では、このリソースの最適活用を、自市区町村で就業する人が平均60%弱という実態を踏まえ、中心都市と連携する日常生活圏という地域的広がりの中で考えることも重要になる。

 現状のリソースの所有や利用実態、行政界など既成の考え、枠組みにとらわれず、社会ニーズを先読みし、先進の技術も取り入れつつリソースをより有効に活用する新たな視点や発想が、従来にも増して求められている。


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