67%─高まるワーキングマザーの幸福度



政策・経済研究センター  阿部 淳一

図 ワーキングマザーと専業主婦の幸福度

 減少を続ける専業主婦世帯は、2015年には2010年より110万世帯減の687万世帯となり、共働き世帯は同102万世帯増の1,114万世帯となった*1。当社の推計ではこのうち770万世帯が子育てをしながら働くワーキングマザーで、その数は専業主婦を上回る*2

ワーキングマザーの関心は生活の質の向上へ

 世帯数だけでなく、両者の幸福度も逆転した。ワーキングマザー(正規、以下同)の「とても幸せである」「幸せである」の合計は2015年に67%と2011年から4ポイント増えた。この間に専業主婦の幸福度が5ポイント減って64%になったのとは対照的だ*3

 幸福度向上の理由として第一に暮らし向きの向上感が挙げられる。「去年と比べ暮らし向きが向上している」とする割合は14%と2011年から6ポイント増えた。

 第二はワークライフバランスの進展である。ワーキングマザーの生きがい上位3項目は「家庭」「余暇」「仕事」だ。これらの満足度(「満足」「どちらかといえば満足」合計)の変化は、「家族のコミュニケーション」が1ポイント増、「余暇・趣味、レジャーの過ごし方」が3ポイント増、「仕事」が増減ゼロである。また、「急な仕事が入れば残業する」「有給休暇はきちんと取得する」(「あてはまる」「ややあてはまる」合計)についても前者は8ポイント減、後者は7ポイント増となった。働き方を見直すことで、仕事の質を維持しつつも生活の質を高めようとしている。

「生活を楽しむ」消費を牽引

 ワーキングマザーは専業主婦に比べ経済的ゆとりがあり、今後「生活を楽しむ」消費の牽引役として浮上する。オリエンタルランドの「3世代ディズニー」は余暇と家族団らんを同時に満たし、子育てで世話をかける親世代までの取り込みを狙う。よみうりランドの「グッジョバ!!」も、子供から祖父母まで楽しめる遊園地という狙いが当たり、今年のゴールデンウイークは計画来場者数を上回った。ワーキングマザーの忙しい毎日に彩を添える提案で「楽しみ消費」市場が広がる。

*1:労働政策研究・研修機構「専業主婦世帯と共働き世帯」。

*2:「生活者市場予測システム(mif)」(2015年)の数値から推計。

*3:文中の数値は全てmif (2011年と2015年)の数値である。


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