プラチナコミュニティ : 元気高齢者の活躍の場

Point
ここ数年間で団塊世代8百万人が65歳以上に。アクティブに毎日を過ごす元気高齢者も増加する。
米国CCRCを参考に、元気高齢者が健康を維持し、安心して豊かな生活を実現することが重要。
日本版CCRCなど「プラチナコミュニティ」を通じて元気高齢者の活躍の場を創出したい。

 日本は、2007年に超高齢社会(65歳以上人口21%超)に突入した。現在、65歳以上人口は3,000万人に達するが、さらにここ数年で、団塊世代8百万人がその仲間入りをする。現在、高齢化に伴い、介護が必要な高齢者向けの施設は整備されつつあるが、絶対数は不足している。介護状態によっては施設を転々としなければならないケースもある。終の住処として永住が保障されていないのだ。
 一方、65歳以上でも体力、気力、知力に溢れ、金銭的にも時間的にも余裕があり、アクティブに毎日を過ごす元気な高齢者は少なくない。団塊世代の退職者を中心にこの層はさらに増加すると見込まれる。介護が必要な高齢者向け施設の整備も重要だが、「元気高齢者」が、万一のための医療・介護・永住が保障されつつ、普段は安心して元気に暮らせる豊かなライフスタイルを実現することも重要だ。
 こうしたライフスタイルは米国のリタイアメントコミュニティ(RC)に見ることができる。RCとは40年以上も前からハッピーリタイアを満喫するためにつくられてきたコミュニティで、温暖な気候の地で仲間とゴルフ三昧の日々を楽しむ。しかし、①介護が必要になると転居が必要(介護転居リスク)、②知的刺激の欠如により痴呆症が多発、③多世代交流がない退屈な老人のまち、といった問題点があった。
 介護転居リスクの問題はRCの同一敷地などに介護施設など(CC : Continuing Care)を併設し、永住を保障することで解決した(CCRC)。知的刺激と多世代交流の問題は、大学と連携し、同時に解決した。現在CCRCは都市/郊外/地方、温暖/寒冷など、さまざまな立地条件の下、全米で約2,000カ所、大学連携型CCRCは約70カ所を数える。
 三菱総合研究所では、2010年に立ち上げた産官学のプラチナ社会研究会のなかにCCRCの分科会を設置し、米国の大学連携型CCRCを基に日本版CCRCのあり方を検討してきた。そのなかで、日本の元気高齢者は、単に学ぶだけでは飽き足らず、学んだ成果や培った経験・知識・知見などを社会の課題解決に活かしていくことに生きがいを見出すのではないか。すなわち日本版CCRCでは、米国の大学連携型CCRCをさらに進化させ、社会で活躍の機会をもつことが重要だと考えた。私たちはこれを「プラチナコミュニティ」と呼ぶこととした。
 今後はプラチナコミュニティの実現を通し、高齢者が心身の健康を維持しながら、社会の担い手として豊かに暮らし活躍できる場を構築していきたい。

RCの進化とプラチナコミュニティ


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