[経営]主婦の健康づくりは企業の経営リスクを軽くする

Point
家族が働き手を支える力が弱まると、業務効率低下は避けられない。
主婦の健康が企業の損益に大きな影響を及ぼしている。
企業は経営リスク低減に向けて、主婦の健康診断を積極的に支援すべき。

社会ICT事業本部 池田 優花

 従業員の入院などに伴う医療費は、企業の健康関連コストの3割に満たない。健康経営に関する数多くの研究によれば、健康関連で最大のコストは、従業員が出社できていても心身に何らかの問題を抱えて業務効率が落ちる「プレゼンティーイズム」によって発生している。

 プレゼンティーイズムの一因はストレスであり、中でも家族による支援の能力が低下するほど働き手のストレスは高まる。これが従業員の業務効率を落とし、企業の損失を大きくしている。

 例えば、家庭の主婦が病で倒れたらどうなるであろうか。働き手の夫に家事や育児が一手にかかってくる。これに伴う心身への負担は大きく、仕事で通常どおりに成果を出せなくなることは予見できる。

 調査結果によると、妻が病気となった家庭の半数以上は、夫が子どもの世話に追われているという。妻が乳がんにかかった家庭の9割近くでは、妻の病気に関連づけて、夫自身が心身に何らかの不調を訴えているというデータもある。

 では主婦の健康管理はどうなっているのか。働き手本人の健康診断受診率は8割を超え、子どもの受診率も学校検診が普及して9割以上に達している。しかし主婦は、育児や家事を担う主役となることが多いにもかかわらず、健康診断の機会が少ない。40歳以上になれば特定健診の対象になるが、その受診率は低く、病気の早期発見が難しいのが実情だ。

 企業はプレゼンティーイズムによる損失の回避に向けて、従業員だけでなく、その配偶者を中心とする被扶養者の健康管理にも注意を払うことが望まれる。そのためには、健康保険組合と密接に連携して、まずは被扶養者の受診率を高める必要がある。

 当社では、企業・健保向けサービス「メール de 健康エール」を開発し、従業員の被扶養者に健診の必要性や健康に関するトリビアをメールで配信している。これを通じて被扶養者の受診率アップを支援している。

図 女性被扶養者の健診受診率


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