[経営]働き方改革はマネジャーのディープワークで成功させる

Point
働き方改革で「時短」に焦点を絞りすぎている。
時短と業績の両立が求められるマネジャーには深く考える時間が必要。
考える時間は、経営主導のICT投資で作り出す。

ヘルスケア・ウェルネス事業本部 宮下 友海

 働き方改革に向けて、労働時間を減らすためにさまざまな取り組みが展開されている。しかし、最近の働き方改革は「時短」に焦点を絞りすぎてはいないだろうか。「時短」が重視されすぎると、中間層のマネジャーは時短と目標達成の板ばさみとなって部下の仕事を引き取り、結果的に自分の労働時間を増やしてしまう。本来、マネジャーは、「組織の成果に責任を持つ者」(ドラッカー)であって、人材という最も貴重な資本をどのように運用し、成果をあげるかが重要だ。プレイングマネジャーとして、部下の仕事を肩代わりすることが本分ではない。

 マネジャーには、部下を知り、市場を知り、人材配置や事業計画など、深い思考を伴う仕事、いわゆる「ディープワーク」に専念することで、時短と業績の両方の目的を達成することが求められている。業績が上がれば、現場への資本投下が可能になり、さらなる時短効果も生まれるだろう。そのためには、「ディープワーク」に求められる十分な時間が必要である。

 しかし現実には、マネジャーは目先の目標達成に追われ、自分の時間を自力で作ることができない状況に置かれている。部下の仕事を肩代わりすることで事業戦略や業務設計に使うべき時間を失う、その結果、業績悪化を招く。こうした悪循環を完全に断ち切るには、自助努力だけに頼るのではなく経営主導でディープワークの時間を作り出す必要がある。ICT投資による時間作りの支援は有効だ。計数管理業務を自動化する「RPA(*1)」を導入すれば、PCへのデータ入力など単純なルーティンワークから解放され、ディープワークの時間を増やすことができる。RPAを活用することで部下の管理負担が減れば、より多くの部下を1人のマネジャーで管理できるようにもなる。

 時短一辺倒ではない働き方改革を実現するには、十分な時間を使ったディープワークが鍵になる。経営層もマネジャーの時間作りに向けたビジネス環境の整備に、これまで以上に注力する必要があるだろう。

図 ディープワークに基づくマネジメント


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