中西 お客さまからすると、DX到達まで5~10年かかるのは長いと言われますが、考え抜いた施策体系の中で、小さな成功体験を積み重ねていくことで初めて実現するのがDXです。とはいえ、そのステップがきちんと進んでいるかをどう判断したら良いのか。戦略マップを作るだけでなく、マネジメントシステムが機能することが大事です。今、われわれが注力しているのはまさにこの部分で、進捗やKPIを可視化する「DXスコアカード™」というフレームワークを作成しました。
さらに、DXジャーニーで設定している5つの領域の縦軸・横軸に対して、施策間の関係性を踏まえて総合的にKPIを設定しマネジメントしていくことが重要です。経過をしっかりウォッチし、芳しくない点があればどんな手を打てば良いか、もしくは外部環境が変わった場合にどう取り込んで良い方向に持っていけば良いかを、経営者やDXを担う中心メンバーがマネジメントできる枠組み(マネジメントシステム)を創っていきたいと考えています。
基幹システムが変われば業務も変わります。すると人材育成の方法や組織のあり方も変わるわけで、DXのステージが1つ進む(航海が1つ先のマイルストーンに到達する)ごとに、企業としてのステージが1つ変わります。その変化を見極めながら、変革に向けて有効にKPIを設定しなおすことが重要で、それをしなければ、結局成行きで進めているだけになってしまいます。
中西・藤田 慧眼を持ったリーダーが引っ張ることで成功するのもいいのですが、その人がいなくなって頓挫しては元も子もありません。DXを企業経営に根付かせるための方策を打って、組織力で推進していくべきです。当たり前のように事業戦略にも人材戦略にもDXが組み込まれて運営される姿になるまで、MRIはそのお手伝いをする伴走者としてあり続けたいです。