※1:推計については図表1の注釈に詳細を記載している。
※2:ブランシャール(2020)「ブランシャール マクロ経済学 下(第2版): 拡張編」(東洋経済新報社)
※3:西野ほか(2016)は物価予想がフォワードルッキングでない理由として「長期にわたってデフレが続いた時期があったため、予想物価上昇率は2%の「物価安定の目標」にアンカーされておらず、「適合的な期待形成」が強く働いている。」ことを挙げている(西野孝佑・山本弘樹・北原潤・永幡崇(2016)「「総括的検証」補足ペーパーシリーズ① 「量的・質的金融緩和」の3年間における予想物価上昇率の変化」 日銀レビュー(2016-J-17))。なお、「予想物価上昇率は2%の「物価安定の目標」にアンカーされている」とは、「物価上昇率が2%から前後しても、人々が「しばらくすれば2%に落ち着く」と考えるようになっている」状態を意味する。
※4:例えば、物価上昇率が前年比ほぼゼロ%である日本で、来年も物価上昇率が前年比ゼロ%と予想して10万円の家電の購入を来年に先延ばししていたとする。このとき、予想が外れて来年の物価上昇率が前年比0.5%となり、家電も0.5%値上げとなったとしても、物価予想を外すことの損失は500円(=10万円×(0.5%−0%))しかない。
※5:黒田東彦(2014)「黒田 非伝統的金融政策の実践と理論」(2014年6月7日に開催された国際経済学会の第17回世界大会における講演)
https://www.boj.or.jp/
※6:金融緩和の副作用を是正するために金融政策を修正・変更を行う際には、その修正・変更を人々に金融引き締めと誤解されないように注意する必要がある。