
技術の可能性を広げ、
自動運転の未来を近づける

宮下 浩一

次世代インフラ事業本部
Career Path
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工学部 電子情報エネルギー工学科 卒業
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情報科学研究科 マルチメディア工学専攻 修了
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三菱総研 入社/社会システム研究本部に配属
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次世代インフラ事業本部に組織改称
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東京大学に兼務出向
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博士号取得(電気電子工学専攻)

現在の仕事内容について教えて下さい。
企業や行政を結ぶことで、自動運転技術の開発を加速させる
今一番盛り上がっているのは自動運転に関するプロジェクトです。自動運転技術は、センサーやデータ処理、車両制御などの技術の組み合わせで、基本的には自動車メーカー各社がしのぎを削って技術開発している領域です。三菱総研はこのような自動運転の実現に向け、各社が協調することで社会全体の最適化が図れる領域(協調領域)における研究開発や社会実装の支援を行っています。
特に私が深く関わっているのは、「ダイナミックマップ」です。これは、高精度な3次元地図に天候や道路工事、周囲の歩行者や車両といった時々刻々と変化する情報を重ね合わせる技術です。ダイナミックマップが実用化されれば、たとえば車のセンサーでは検知できない、数百メートル先の故障車などの情報を用いて、事前に車線変更したり減速したりするといった高度な自動運転制御の実現につながります。
私はこのプロジェクトの推進役・調整役として、自動車メーカーはもちろん、法制度やインフラ整備を担う官公庁、自治体といった行政、さらに地図やシステム、通信に関連する民間企業、トラックやバスを運用する事業者の方々と一緒に、実用化に向けて研究開発を進めています。

どのようなところに仕事のやりがいや難しさを感じますか。
官民の関係者の足並みを揃え、プロジェクトを前進させる
何か新しいことを進めようとすると、さまざまなステークホルダーの方々との調整が必要となる場面が多くあります。
たとえば、自動運転車両を公道で実験するとなれば、実験を行う自動車メーカーとのスケジュール調整、実験を行う場所を管轄する行政への説明、実験を行うためのツールを提供する企業とのすり合わせなどが必要となります。また、お客様企業において新たなサービスを行う場合には、お客様企業にはない技術を持っているパートナー候補の企業とのコラボレーションや、お客様企業内の部署間の調整などが必要となります。
このような部分をご支援する機会が多くありますが、ステークホルダーごとに立場が違うため妥結点を見出すことの難しさを感じつつも、段取りが整い無事にスタートすることができた際には仕事のやりがいを感じます。

三菱総合研究所に入社を決めた理由は何ですか。
官民の橋渡し役として、新技術の普及に貢献したい
私は大学・大学院で情報工学を学び、さまざまな新しい技術の芽があることを知り、これらの新しい技術を世に出したい、実用化や普及に貢献できる仕事がしたいと考えていました。就職活動の際には、モノづくりをするメーカーや、サービスを生み出すシステム会社など、さまざまな会社の方の話を伺い、本当に最後まで迷っていたことを覚えています。そのような中、三菱総研の先輩社員の話を聞き、多数の企業のコラボレーションを支援したり、官民の橋渡し役として技術的な知見を踏まえて施策実現に貢献しているところに魅力を感じ、新しいことにチャレンジできるのではと考えて当社への入社を決めました。

三菱総合研究所の企業価値を、どのような点で感じますか。
人をつなぐことで、新しいコトを仕掛ける
当社は単独では、モノを作ったり、消費者向けのサービスを生み出したりすることはできません。しかし、行政・企業・大学など、さまざまな人たちと協力することで、新しいコトを仕掛け、実現することができる会社だと思っています。さまざまな人たちと協力するにあたっては、関係者の利害が相反する場面もありますが、そのような中において社会的な合意形成を支援していくところに当社の価値があると考えています。また、このような事業を通じて社会課題の解決に貢献できる点も、当社の企業価値だと感じます。

今後どのような仕事に挑戦したいですか。
地方の過疎化をモビリティで変えていく
私は長崎県の田舎の出身なのですが、帰省のたびに町の元気が少しずつなくなってきているように感じます。若者が仕事を求めて都会に出てしまい、町には高齢者だけが残っている状況や、若者が都会で結婚、子育てするようになることで地方の少子化が進み、小学校の複式学級化や統廃合などが進んでいる状況は寂しいものです。これは長崎県に限らず、多数の地方が抱える問題だと思います。
こうした状況の中にあって、モビリティは地方と都会の時間的距離を縮める有効な手段です。モビリティが整うことで、工場の誘致など産業を地方に呼び込むことができ、地方にも仕事が生まれます。地方から都会への通勤・通学も容易になります。これにより、若者や子育て世帯が地方に定着できるようになり、地方の少子化・高齢化に歯止めをかけられると思います。自動運転技術は、このモビリティの高度化の一つの手段だと思っています。
私はモビリティの高度化という視点から、このような地方の課題解決に取り組んでいければと考えています。
仕事での主な1日の流れを、具体的に教えて下さい。

- 朝一の打ち合わせがない日は、私が子どもたちを保育園に送って、仕事に出ます。最近は1日の半分以上の時間を、お客様や社外パートナーとの打ち合わせに費やしているので、週の半分くらいは打ち合わせ先に直行します。
- 日中は打ち合わせが中心となるので、その合間に電話やメールで社内外のパートナーの方と仕事の調整をします。
- 夕方会社に戻ってから、その日の打ち合わせ内容を共有したり、資料を作成したりします。仕事が立て込んでいると帰りが遅くなってしまう日もありますが、仕事のスケジュールやボリュームを調整して、週に1日は子どものお迎えに行けるよう工夫しています。三菱総研では仕事の進め方や働き方について、個人の裁量で調整できる部分が大きいので、早く帰る日・遅くまで仕事を頑張る日とメリハリを付けることを心がけています。
Off Scene
趣味/オフの過ごし方を教えて下さい。
土日はもっぱら家族サービスです。土曜日は子どもの習い事への付き添いや家事などで一日が終わります。日曜日は家族4人で車に乗って郊外のショッピングモールや公園、プールに行きます。車の運転はもちろん私の担当です。
また、趣味と言えるかわかりませんが、ガジェットが好きでついつい衝動買いしてしまうので、家には多数のガジェットが眠っています。たとえば、スマートウォッチやスマート体重計、スマートスピーカー、スマートTV、スマート照明(照明の色や光量をスマートフォンなどで調整できます)などです。新しいモノへの興味関心を持ち続けたいと思っています。
