企業がNGO/NPOとの関係構築に見出す価値

Point
国際社会においてNGO/NPOの存在感が大きくなっている。
特に環境問題や貧困問題など、社会課題の解決についてNGO/NPOの存在は不可欠になっている。
企業が積極的に関係を構築することは、社会を良くし、さらには自らの価値を高めることにつながる。

 国際社会では、NGO/NPOの存在感が大きくなっており、特にBINGO(Big International NGO)と呼ばれる巨大NGOが大企業や政府を動かすほどの影響力をもつような状況も出てきている。国連は以前からNGOとの協働を積極的に推進してきているし、それ以外の大きな国際会議においてもNGO/NPOが発言権をもつことも珍しくなくなっている。
 NGO/NPOの活躍が特に期待されるのは、社会的包摂や教育など営利セクターや行政では対応しきれない、個々の事情に配慮した丁寧な対応が必要となる分野や、環境問題や貧困問題など複数の国・企業にまたがった問題解決を必要とするような分野である。環境問題や貧困問題は複雑で広範囲であることから、特にBINGOの活躍が目覚ましい。これらの活動すべてが必ずしも成果を上げているわけではないが、登場するNGO/NPOの顔ぶれが変わることはあっても、NGO/NPOに対する社会からの期待は今後も変わらないだろう。
 このような状況を背景に、グローバル企業では積極的にNGO/NPOとの協働を進める動きが出てきている。企業はNGO/NPOの意見を聞いたり、支援したり、あるいは自らも参画して活動することで、自力では困難な社会課題の解決に貢献することができる。たとえば、ユニ・リーバは持続可能なパーム油の調達について、WWFなどの名だたる環境NGO・人権NGOなどに加え、業界他社とともにRSPO(持続可能なパーム油のための円卓会議)を立ち上げ、認証スキームを設立した。そして、2015 年までに、自らの調達するパーム油のすべてをRSPO認証にするという高い目標設定を行うとともに、業界全体に対する普及啓発の役割も果たしている。
 このようなNGO/NPOと企業との協働関係は、海外の事例であり、日本国内では関係ないと思われるかもしれないが、決してそうではない。たとえば、東日本大震災で数々の国内外のNGO/NPOが被災地支援を行っているように、震災後の復興支援にはNGO/NPOの存在が不可欠であるとの認識が広まっている。また、社会的包摂や心の問題についてNGO/NPOが大きな役割を果たしていくことは誰も否定できないだろう。これらの動きと企業の事業活動は決して無関係ではない。すでに企業は、能動的にNGO/NPOと協働を進めるべき時代になったといえよう。それにより、社会課題の解決のみならず、ブランド価値の向上、消費拡大、優秀な人材の確保など、企業自身にとっても新たな価値が産まれるのだ。

NGO/NPOと企業の関係


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