[高齢社会]デジタルヘルス×IoTによるリハビリ支援

Point
日本では高齢者の自立支援に関するソリューションの重要性が高い。
自立支援には「予防」と「回復」の2種類のアプローチがある。
IoT技術で得られるデータを活用した多様なサービスに注目。

オープンイノベーションセンター 鈴木 智之

 IoTを活用したデジタルヘルス*1の活用領域が広がっている。「Fitbit」*2に始まり、体重計、睡眠計などの日常生活をモニタリングするものから、排せつ検知、トレーニング支援、ぜんそくのホットスポット予測など、ここ数年でその裾野は大きく広がってきた。高齢化が進む日本では生活の自立支援に関するソリューションの重要性が高い。方策の一つは予防、もう一つはリハビリテーション(以下、リハビリ)などによる回復である。

 「予防」のデジタルヘルスには多くのサービス事業者が参入しており、生活場面から診断まで幅広くデータを収集して活用する技術が確立されている。Nokiaは活動量や睡眠などのモニタリングサービスを提供している。大塚製薬とNECは共同で薬の飲み忘れを防ぐIoTピルケースを開発、服薬継続により脳梗塞の再発抑制に貢献するサービスを提供する。

 「回復」分野での事例はまだ少ないが、利用は着実に拡大していくだろう。介護が必要となった65歳以上の高齢者の3割*3は、脳卒中や転倒による骨折などが原因で身体機能が低下している。再び歩き始め、日常生活に復帰するためには、IoT技術によって 簡便かつ正確に得られる身体機能などのデータがリハビリに役立つ。具体的には、「エビデンスの構築・検証」「データに基づくリハビリ支援」「患者・家族とのコミュニケーションやモチベーション向上」など患者目線での活用に加えて、医療や介護のサービス事業者の情報共有やデータ連携にも活用できる可能性がある(図)。

 三菱総合研究所がMoffと共同で開発する「モフ測」は、歩行の状態や腕の可動範囲など患者の身体機能を手軽に見える化することで、関連する利用シーンへの貢献を目指している。NTTドコモは、着るだけで心拍数を測定できる機能素材を用いて、リハビリ中の心拍数や活動データを取得、効果の違いを検証する取り組みを行っている。米国とイスラエルに拠点を置くVR Healthが手がけているようなVR(仮想現実)技術を活用したリハビリサービスも、身体機能データなどと組み合わせて今後発展していく可能性がある。IoTを活用したデジタルヘルスのさらなる活用が期待される。

図 IoTを活用したデジタルヘルスによるリハビリテーション支援


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