エネルギー分野での取り組み

社会課題

「脱炭素社会」の実現が世界的な潮流となる中、日本でも2050 年における温室効果ガス排出量80%削減が迫られています。脱炭素社会の実現のためには、再生可能エネルギー(以下、再エネ)の主力電源化とともに電力需給調整を円滑に行うことが必要です。また、わが国のエネルギー政策の基本的視点である「3E+S」(供給安定性、経済性、環境性+安全性)を前提とした取り組みが求められます。

ソリューション

A 研究・提言
エネルギービジョンの提言
長期視点で「3E+S」と脱炭素社会を両立する「エネルギービジョン」の提言を行っています。ビジョンの検討では、当社が開発したエネルギーモデル「MARKAL-JAPAN-MRI」によるエネルギー需給分析や、脱炭素社会に向けた革新的技術の評価を行い、実現に向けた道筋を描いています。

B 分析構想
エネルギー供給構造改革のための政策支援
再エネの主力電源化に向けて、ポストFIT制度※1や電力需給調整市場などに関する政策立案支援を実施しています。また、再エネ発電ビジネスに参入するお客様には、発電事業の事業性評価支援などのコンサルティングを実施しています。さらに、安全な原子力発電に向けた新検査制度への対応支援を行うとともに、原発立地地域での原子力との共生構想を検討しています。

C 設計実証
次世代需給調整システムの実現に向けた実証
再エネを大量に導入するためには、より柔軟な需給調整システムが必要です。新しい調整力としての期待が大きいVPP※2の実証を推進しています。併せて、再エネの主力電源化に向けた電力ネットワークの在り方の検討を進めるなど、社会変化への対応および課題解決を支援しています。
 
D 社会実装
エネルギー供給構造改革に向けた社会実装事業
当社自らが事業主体となって、再エネ発電事業を展開するとともに、再エネ発電事業のアセットマネジメント業務を実施しています。また、電力卸取引の活性化に向けて、取引の意志決定を支援する価格指標の情報提供サービス(MPX)※3にも取り組んでいます。

提供価値

当社では、長期視点で「3E+S」と脱炭素社会を両立するエネルギービジョンを提言するとともに、ビジョンから実装まで一貫した支援サービスに取り組むことで、脱炭素社会構築という社会課題の解決に貢献しています。

※1ポストFIT制度:再生可能エネルギー発電の普及に向けて、2009年から電気事業者による再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT)が開始された。この制度の終了後には、再生可能エネルギー市場の自律的な拡大を促進する政策が求められる。

※2VPP:バーチャル・パワー・プラント(仮想発電所)の略。多数の小規模な発電所や電力の需要抑制システムを連携させて、ひとつの発電所として制御を行うシステム。

※3MPX(MRI Power Price Index):各電源の稼働状況をシミュレートすることで、その時点での電力の市場価格を理論的に推定し、電力卸取引の意志決定を支援する情報提供サービス。当社が独自に開発し、2016年よりサービスを開始。