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50th ANNIVERSARY RESEARCH

50周年
記念研究

次の50年を展望し、
目指す未来社会を
設計、
実現するために

50年先という長期的な視点で未来を考え、行動する

当社は創業50周年を機に、50年後の未来社会に向けたビジョンを示し、日本における実現策を描く「50周年記念研究」を実施しました。
50年先という長期的な視点で未来を捉え、社会はどうあるべきか、人はどうありたいかを多面的に検討し、豊かさと持続可能性を両立させるための道筋を示すことが研究の目標です。豊かさは経済的な成長や物質的充足を追求するものから一人ひとりのウェルビーイングを追求するものとし、持続可能性は将来世代まで及ぶものと考え、より安全安心な社会を実現することが必要です。本研究を最初の一歩として、目指す未来へ向けて踏み出していきます。

「100億人・100歳時代」の豊かで持続可能な社会

50年先、世界の人口は100億人に達し、先進国を中心に人生100歳時代を迎えます。人類がかつて経験したことのない人口拡大と高齢化のなかで、私たちは気候変動、環境や資源の制約、感染症等による持続可能性の危機、格差や分断など、地球規模の課題に向き合い、100億人が豊かさを実感できる社会を構想しなければなりません。未来社会への潮流として重要な視点は「制約」と「拡張」です。危機が深刻化し、人・社会の活動への制約が拡大する一方、現実空間から仮想空間への拡張、人の健康や能力の拡張など、先端技術は人と社会の新たな可能性を生み出します。制約を乗り越え、拡張を実現するために、私たちは課題を克服しながら、豊かさの定義を「量的な成長」から人が生み出す価値に着目する「一人ひとりのウェルビーイング」に進化させることが重要です。そのためにさまざまな領域で進展する革新的技術を最大限に活用し、豊かさと持続可能性が両立する社会へ変革していかなければなりません。

キーファクターは「3X」と「共領域」

その未来社会を実現するために2つの重要なキーファクターがあります。人の能力や可能性を拡張する革新技術「3X」※1と、一人ひとりが協調し新たな価値を生むコミュニティ「共領域」※2の構築です。この2つを効果的に活用することで、人と社会の新しい関係を構築し、個人の自己実現と社会全体の利益を調和させる。研究では、以上の視点から、未来社会実現の可能性を分析しています。

※1:3Xとはさまざまな領域で革新技術がもたらす3つの変革を指す。DX(デジタル・トランスフォーメーション)、 CX(コミュニケーション・トランスフォーメーション)、BX(バイオ・トランスフォーメーション)。
※2:CX、BXおよび共領域は、三菱総合研究所の造語。

01
健康維持・心身の潜在能力発揮

心とカラダにいい技術、
誰もが理想を満たせる社会に

若者から高齢者までそれぞれの目指すウェルビーイングを描き、心身の健康を維持・向上して潜在能力を発揮していける社会を目指します。守りの健康から「攻めの健康」へ変革するために、革新技術によるヘルスケアインフラの整備、産業と融合するRRI※の開発と実装の推進、持続的な医療・介護保険制度改革などを提案します。

※:RRI(Responsible Research and Innovation)は責任ある研究・イノベーションと和訳される。市民を含む多様なステークホルダーが対話を行い、円滑な社会実装に向けて制度・倫理・社会受容性などを向上させるフレームワーク。

03
新たな価値創出と自己実現

“働く”意味を新しく、
自由な“活動”で
人の役割と可能性を広げていく

AIやロボットなどの革新技術は、身体・空間・組織などの既存の制約に縛られない自由な働き方や、個人の潜在力を活かした多様な価値を創造する活動を加速するでしょう。新たな働き方の実現、自由な活動と学びの充実、価値創造のための共領域創出、社会格差を払拭(ふっしょく)する支援制度構築、「生涯100年学びシステム」への転換などを提案します。

04
安全安心の担保

現実×仮想空間による
レジリエントな社会

現実と仮想空間が融合する時代には、個人の自由を拘束することなく最大限の安心を得ることが重要です。これまでの事後的対応から、事前・予防的対応への転換を進め、平時と緊急時のモードチェンジを最適化することで、社会全体の安全を確保します。
自然災害や感染症の被害最小化、仮想空間のトラスト最大化を目指し、個人に最適化された「パーソナル防災」の実現、現実×仮想による社会の冗長化、仮想空間の信頼を形成するメタ・トラストフレームワークの整備などを提案します。

05
地球の持続可能性の担保

DXとBXの活用、
100億人が豊かに暮らせる地球へ

DX・BXを活用し、環境制約下でも資源を充足させること、消費に供給を合わせるのではなく供給に消費を合わせるスタイルへの構造転換を目指します。また、持続可能性への貢献を実感できる社会は精神的な充足もかなえるでしょう。DX・BXによるロス削減、「地球1個分の資源」での生活実現、脱化石資源、環境配慮行動を通じた豊かさの実感、「しん・もったいない」による価値観・行動変容などを提案します。

Scene.1

自宅からでも
気軽に診察を受けられる

ホログラムの医師が現れ、忙しい人や医師の少ない地域に住む人でも、遠隔で診断を受けることができるようになる。
患者に聴診器を当てたり、触診をしたり、簡単な処置をしたり、は医療補助ロボットが行う。

健康を維持して
誰もが思い通りに活動する

加齢や病気・ケガなどで体力の衰えた人も、パワースーツを装着して安全に、思い思いの運動やアクティビティを自由に楽しむことができる。

Scene.3

“ライフ”が主役の
“ワーク”と新たな協働

異なる場所の参加者同士が実空間で隣同士に居るような感覚を体感できるような、遠隔作業環境が提供される。例えば、自然に恵まれた里山の古民家に暮らしながら、ホログラムでビジネスの会議に参加。人やAI、ロボットが、それぞれの知恵を持ち寄り新しいものを生み出す。

Scene.4

ひとり一人の状況に応じた
防災サービスの提供

ドローンやセンサーを使い、地震や台風など自然災害の発生を遠隔で察知するとともに、一人ひとりの住む場所・行動範囲・パターンに応じた最適な災害回避行動が通知される。

Scene.5

食品ロスが発生しない生活へ

AIを活用した需給調整システムやフードプリンターで、個人の健康状態や嗜好に応じた食事を提供する。生産者と消費者の情報がお互い分かることで、必要な量を必要な分だけ必要なときに供給し、食品ロスを減らす。