ICT(情報通信技術)社会の血流であるデータが大量に通信インフラにあふれる情報爆発時代、一極集中型の欠点を補う地域分散型システムが志向される。しかし国内通信産業では、周波数・エネルギー・投資の観点からインフラが供給不足に陥る懸念がある※1。しかも重要なインフラゆえに、量的な議論とは別にレジリエンス(強靱性)向上、デジタルデバイド(情報格差)是正への配慮も欠かせない。既存の地上通信を補完するインフラ網の拡張的な構築が必要として、「非地上系ネットワーク(NTN)」への注目が高まっている。
NTNの特徴は、宇宙空間や成層圏などを飛行する人工衛星や無人航空機との通信により、地上にある既存の通信基地局のエリア外をカバーできる点にある(図)。例えば地上から電波の届かない洋上で船舶が通信する場合、これまでは主に低速度の静止軌道衛星※2通信などに手段が限定されていた。しかしNTNが普及すれば、海の上空を飛行する基地局や低軌道衛星※3を通じて地上と遜色のない品質の通信が可能になる。
陸の上空でも事情は同じだ。基地局設置が困難な山間部などのルーラル(都市部から離れた)地域でも上空からの発信により快適な通信が可能となり、デジタルデバイドが解消に向かう。
実際に国内では、国土で見たカバー率は約60%と約4割の地域では携帯電話が利用できない環境にある。NTNにより、携帯電話から直接に衛星を介するなど、災害時のレジリエンスや過疎地通信ニーズの広域なカバーが実現される。
とりわけ「モノとモノが通信する」IoT社会では、通信途絶が致命的なトラブルを招く。例えばドローン配送・空飛ぶクルマなどが普及した場合、地上基地局のエリア外から運行管理するシステムにつながる手段はどう確保されるべきか。
NTNの特徴は、宇宙空間や成層圏などを飛行する人工衛星や無人航空機との通信により、地上にある既存の通信基地局のエリア外をカバーできる点にある(図)。例えば地上から電波の届かない洋上で船舶が通信する場合、これまでは主に低速度の静止軌道衛星※2通信などに手段が限定されていた。しかしNTNが普及すれば、海の上空を飛行する基地局や低軌道衛星※3を通じて地上と遜色のない品質の通信が可能になる。
陸の上空でも事情は同じだ。基地局設置が困難な山間部などのルーラル(都市部から離れた)地域でも上空からの発信により快適な通信が可能となり、デジタルデバイドが解消に向かう。
実際に国内では、国土で見たカバー率は約60%と約4割の地域では携帯電話が利用できない環境にある。NTNにより、携帯電話から直接に衛星を介するなど、災害時のレジリエンスや過疎地通信ニーズの広域なカバーが実現される。
とりわけ「モノとモノが通信する」IoT社会では、通信途絶が致命的なトラブルを招く。例えばドローン配送・空飛ぶクルマなどが普及した場合、地上基地局のエリア外から運行管理するシステムにつながる手段はどう確保されるべきか。
[図] 情報爆発を支える非地上系ネットワーク(NTN)