マンスリーレビュー

2021年8月号

MRIマンスリーレビュー2021年8月号

日本の社会課題を解決するDX—企業編

研究理事 比屋根 一雄
コロナ禍後のニューノーマル時代においては、従前から積み上げられた多種多様な社会課題の解決とともに経済復興の両立が求められる。
 
国内においては産学官民それぞれの役割に基づく社会課題解決が求められるが、こと経済、イノベーションの両面で重責を担うのは民間企業だ。そのためには、ビジネスの変革が不可欠であり、ビジネス改革精神とともに改革の強力な武器となるデータ活用と技術革新の推進が求められる。デジタルの高度利用に基づくデジタルトランスフォーメーション(DX)推進の成否は多くの国内企業の命運を握ろう。

しかし、現状では改革は心もとない。経済産業省の研究会が2020年12月公表の「DXレポート2」で示した企業による自己診断結果によると、2020年時点で9割以上の企業が、DXに「まったく取り組んでいない」か「散発的な実施」のレベルにとどまっている。

まずはデジタルを活用した業務プロセス改革を通じて、効率化を超える高付加価値化や収益増につなげる。戦略立案のかじ取りが問われよう。次いで、その過程で自社の強みを見極め、強みを再利用できるようデータ化・ソフトウエア化することが肝要である。

こうした手順を踏み自社の強みをデジタル技術で増幅させることで、各企業は変革を通じて市場競争力を高められるはずだ。

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