レガシー共創に向けての活動

社会にとって良いレガシーを生み出すためには、従来の延長で個々の組織・個人が取り組むだけではなく、能動的にオールジャパンとして検討していくことが期待されます。三菱総合研究所では、そのための共創プラットホームを提供します。

基本的視点

(1)スケジュール:意識すべき「2・4・1」

オリンピック開催に際しては「2・4・1」の教訓があると言われています。招致決定後、2年で計画、4年で整備、1年で試行し、本番を迎えるというものです。この教訓に従うと、2014年4月現在、計画期間はあと1年3カ月です。最初のマイルストンは2015年2月に予定されている五輪基本計画の提出です。全ての検討をこの段階に間に合わせる必要はありませんが、意識すべき大きなポイントとなります。2020年に向けたスタートダッシュが期待されます。

(2)重視すべき視点:3つのBeyond

レガシー共創に向けて、あらためて重要な視点として、以下3点を提唱します。

1)Beyond 2020

未来に向けたレガシーを考えるときには、2030年・2050年の未来像を展望することが必要です。わが国の抱える多様な課題を、すべて2020年までに解決することは難しいですが、他方それらをオリンピック以降に先送りすることは望ましくありません。2030年には団塊の世代が80歳を超え、2050年には人口が1億人を大きく割ることが見込まれています。2019年ラグビー・ワールドカップ、2021年ワールド・マスターズ・ゲームズ関西大会などのイベント連携も含めて、オリンピックという一大イベントの持つ求心力と時限性を活用して、成熟社会への構造転換を図る絶好のチャンスとして捉えたいところです。

2)Beyond 東京

大会イベントは開催都市中心にならざるを得ませんが、レガシーは東京だけのテーマではありません。東日本大震災の被災地を含む全国各地も2020年を契機に課題解決と地方再生に能動的に取り組むことが期待されます。例えば、世界が注目することを契機に、食や文化等を切り口とした観光振興・地域活性化やそのための新たなプレーヤー育成、環境整備を図ってはいかがでしょうか。事前合宿などの一過性の対応だけでなく、食や文化等の輸出振興なども含めてその後の地域の持続的発展につながるレガシー創出が期待されます。

3)Beyond Sector

レガシー創出に向けては、官民挙げてのオールジャパンでの取り組みが求められます。既に未来に向けた検討の萌芽は出始めています。例えば、文部科学省は「夢ビジョン2020」として2020年に向けた夢のコンセプトと具体案を幅広い関係者との協議を通じて提唱しているほか、各府省は2020年をターゲットとした施策実現に動き始めています。また地方自治体においては、各地で五輪推進本部を立ち上げる動きが加速しています。民間企業においても中期経営計画等で2020年を視野に入れた事業機会検討の動きが出始めています。こうした検討をバラバラにするのではなく、異業種・産官学が手を携えて分野横断・共創的に推進していくことが期待されます。

レガシー共創協議会

三菱総合研究所ではレガシープランを検討し、具体的な事業・施策を創出するため、異業種・産官学の参加を呼びかけ、共創のためのプラットホームとしてレガシー共創協議会を立ち上げます。このプラットホームを通じて、全国各地で2050年までの将来を見据えつつ、2020年を中間マイルストンとして社会課題解決や夢の実現を加速し、成熟社会への転換を目指します。

調査・提言

レガシーに関する調査・提言を紹介します。

調査

提言

その他関連資料

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