八巻 最近はMRIがスタートアップへ出資する事例が生まれるなど、会社としてもスタートアップとの共創に関して盛り上がりが見られるようになりました。経営戦略を検討するために外せない要素となってきたように思います。
加藤 さまざまな大企業で、機動力があり、優れたテクノロジーを保有するスタートアップと共創してみようという気運が高まっています。それ自体はとても良いことですが、大企業とスタートアップの共創プロジェクトにおいて、社会的インパクトの大きいビジネスが多く創出されているかというと、未だ発展途上のように思います。MRIとしては率先して多くの社会実装案件の創出を手掛け、社会にインパクトを与えたいですね。スタートアップが提案するビジネスのなかには、市場が育っておらず、規制などの問題を解決しなければいけないケースも少なくありません。シンクタンクとしては、革新的なビジネスの市場創造・拡大のために、国や経済団体などへの政策提言もおこなっていきたいと思っています。現在、9回目となるBAP2023が募集を開始しているので、われこそはと思うスタートアップはぜひ応募してください。
八巻 「絵」には描けても、実際に動かせるかが肝要ですね。そこを官公庁事業の経験などから、政策の必要性をしっかりアピールし、実装へとサポートしていきたいですね。
天野 まずは「ForePaaS」の社内外での活用度を高めたいという思いがあります。また、私は金融セクターの部署にいますが、データの取り扱いその他、独特の規定や流儀があります。特に日本の金融機関にはそうした傾向が強いために、海外ベンチャー単独では参入が難しいと思います。これも金融機関の実情を知っているMRIだからこそ伴走できる一例です。MRIならではの知見を活かし、金融業界でも「ForePaaS」の導入成功例をつくり、事業成長させていきたいです。
中村 私は共創による事業創出を主要なミッションに据えています。共創の相手はスタートアップに限りませんが、スタートアップは時代の一歩先を行く技術でニーズを的確に捉えたソリューションを持っています。MRIはこれまで官公庁のお客様との業務経験を踏まえ、自社でソリューションを開発してきた例も多くあると認識しています。そのような自社開発ソリューションを高度化するという観点でのスタートアップ連携もそうですし、当社だけでは進出が難しいテーマに対して、複数のスタートアップをまとめて一つの大きな事業を創り上げていく動きも重要だと考えています。