MRIマンスリーレビュー

三菱総合研究所が毎月、時流に即した社会的課題やトピックスを考察、
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最新のマンスリーレビュー

遠隔・仮想技術が拓くヘルスケア

専務執行役員 長澤 光太郎
還暦に達した日本人の何割が90歳を超えて生きたかを国勢調査データから推計すると1870年生まれ0.3%、1900年生まれ13%、1930年生まれ35%(女性に限れば47%)となった。日本人の長寿化は著しい。長寿化とは、遅く生まれた世代ほど長生きする現象といえる。それが長期にわたって続いている。

その長寿の中身だが、国の体力・運動能力調査によれば今の75歳の体力は20年前の65歳と同等であり体力年齢は20年で10歳若返った。65~75歳で全て入れ歯の人は1975年4割、今は1割である。別のデータによれば物忘れすら起こりにくくなってきた。つまり日本人の長寿化は老化してから長く生きるのではなくて、老化現象そのもののスピードが落ちているのだ。

高齢世代は健康不安で通院率が高い。その内訳は高血圧や糖尿病が上位である。これらは直接の死因となるものではなく、放置して脳卒中や心筋梗塞につながるのが危険なのである。そういう意味では高齢世代の通院は一種の予防的行為ということもできる。

これからは同世代がまとまって90歳を超えて生きていく時代になる。そのとき基本はやはり健康の維持だ。健康を支える医療のイノベーションへの期待は大きい。本号では、その一端をご紹介する。
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