マンスリーレビュー

2022年9月号

MRIマンスリーレビュー2022年9月号

情報爆発時代の分散型インフラ論

執行役員 伊藤 芳彦
5G環境は2023年度末には人口カバー率が95%になる見込みで、現在販売されているスマートフォンの大半が対応している。2025年大阪・関西万博で日本は、SDGsを体現する通信インフラとしてBeyond 5Gのショーケースを世界に発信する予定である。

デジタルビジネスに目を向けると、高精細な仮想空間でアバターが多様な活動に参画するメタバースの開発が過熱している。

巨大IT企業が強大な影響力を有する現在のITアーキテクチャを抜本的に変革し、特定の人や仕組みに依存せず、創作、意思決定、情報発信、経済活動を分散型で行うWeb3に関する報道も頻繁に見かけるようになってきた。

遠くない将来、SFの「攻殻機動隊」や「マトリックス」が描いた世界の一部を体感できるようになるはずだ。

一方、こうした世界では膨大な量の通信、演算が発生する。情報爆発である。今とは比較にならない電力が消費される。新たなルールも必要になるであろう。多様なビジネスチャンスに彩られたサイバー空間の夢の裏にはこうした現実が控えている。

未来のデジタル社会においては、夢の追求とともに、現実世界の課題を表裏一体で解決していくことが必須となる。
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