マンスリーレビュー

2021年12月号

MRIマンスリーレビュー2021年12月号

Beyond 5G時代の成長戦略

執行役員 伊藤 芳彦
「ガラケーで写メ」の流行を支えた3Gの登場が20年前。スマホ時代の幕開けを演出した4G登場が10年前。TwitterやFacebook(現Meta)が相次いで日本語サービスを開始し、ネットの主役はPCからスマホに代わっていった。この約10年でB2Cを中心にネットサービスは急拡大し、GAFA時価総額も15倍に膨張した。

今後5GからBeyond 5Gと進化するにつれ、B2BやIoTによるビジネス変革は爆発的に加速するであろう。また、スマートシティのような地域分散型で、異なる主体のサービスが協調しながら発展するケースが増え、アーキテクチャ、インフラ、生活様式などを含む社会システムの大変革期が到来する。データ資産の戦略価値も多様化し、新たなゲームチェンジャー誕生の可能性を広げる。

日本がBeyond 5G時代を先導するには、5Gで海外の後塵(こうじん)を拝したことを教訓としたい。国際競争を視野に、国のデジタル戦略、成長戦略と産業における技術開発・国際標準化の一体的な挑戦が不可欠である。

さらに、今後の社会システムはSDGsへの対応を抜きにしては語れない。中でも、日本が先駆ける環境、レジリエンス、超高齢社会などはネットサービス市場の新領域としての期待も高い。Beyond 5Gは社会変革を進め、成長戦略の大きな武器にもなるであろう。
もっと見る
閉じる

バックナンバー