マンスリーレビュー

2022年4月号

MRIマンスリーレビュー2022年4月号

DX・GX時代の人材戦略

代表取締役社長 籔田 健二
桜と入社式は春の風物詩である。今年も約70万人が社会人生活のスタートを切ったが、今の新生児が就職する頃には約50万人に激減する。つれて、労働力人口は20年後には約600万人の大幅減少となる。

資源に乏しい日本では人材こそが宝であるが、その重要性はますます高まる。一方で、高齢化も進む。人生100年の長寿社会を想定すると、セカンドステージ、サードステージの職業選択が普通になるだろう。今後、仕事についての考え方や働き方、企業の雇用の在り方は大きく変わらざるを得ない。

足元で進んでいる社会のデジタル化(DX)やグリーン化(GX)はその流れを加速させる。必要とされる人材には新たなスキルセットが求められる。それに伴う産業構造の転換も避けられない。こうした急な変化はチャンスとともに移行期特有の痛みを伴い、世代や職業、業種ごとにその種類や出方も異なる。企業努力や政策支援を総動員し、リスキリングやリカレント、キャリアシフトを推進することで、個人、企業両者にとってより望ましい労働・雇用環境の整備が求められる。

桜と言えばソメイヨシノを思い浮かべる人が多いが、日本では100種類以上の桜が自生している。早咲きから遅咲き、中には季節を問わず咲く桜もある。人材活用もそのようにありたいと思う。
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