ニュースリリース

インターネットの検索結果から欲しい情報を自動的に抽出するAI機能を開発

2019.8.27

三菱総合研究所

POINT

株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:森崎孝、以下 MRI)は、株式会社Nextremer(本社:東京都板橋区、代表取締役CEO:向井永浩、以下 Nextremer)とともに、インターネット上で検索する際、多くの検索結果の中からAIが最適な答え(情報)を抽出する技術を開発しました。本技術により、人間が検索結果の内容を読み、それを整理し、欲しい情報を得るまでの作業は自動化され、情報収集を効率的に行うことが可能になります。

1. 背景

インターネットの発展および検索エンジンの高度化が進み、人間はより多くの情報を効率よく探せるようになりました。検索エンジンを使った情報収集が日常的に行われている一方で、検索エンジンがサポートするのは「求める答え(情報)がどの情報源(Webサイトなど)に掲載されているか」であり、実際に求める答え(情報)を得るには、その後人間が膨大な数の検索結果の内容を理解し選別する必要があります。情報源1件あたりの情報量が増大する中、答え(情報)を得るには労力と時間がかかります。 MRIとNextremerは、2017年9月に業務・資本提携を締結し、人工知能対話システムにディープラーニングを用いる共同研究を行ってきました。

2. 開発技術の概要

両社はこの共同研究において、文章に対する質問の回答を自動抽出する技術(抽出型読解AI技術)、およびその抽出型読解AI技術を用いて、インターネット検索を行う際に大量の文章データの中から求める答え(情報)を自動収集する技術(自動情報収集エージェント技術)を2019年3月に開発しました。 抽出型読解AI技術は、事前に約300万単語以上からなる日本語文章および約10万の質問回答集からディープラーニングを用いて学習させたAIを用いることによって、新規に与えられた日本語文章を読み解いて、質問に対する回答を見つけ出します。このため、従来の質問応答チャットボットのようにあらかじめ大量の応答シナリオ(質問回答集)を作成する必要がなくなります。 自動情報収集エージェント技術では、獲得したい情報に対する質問をあらかじめ用意しておくと、インターネット上やハードディスク内にある大量の文章に対してAIが順番に問い合わせをします。得られた情報をAIが評価、表形式などに整理し、自動でレポートを作成することができます。 抽出型読解AI技術および自動情報収集エージェント技術の活用により、応答シナリオが不要な質問応答チャットボットだけでなく、大量の文章データに対する情報収集作業の自動化が可能になります。MRIが社内で行った海外AIスタートアップ企業に関する調査では、約100時間かかっていた調査・資料化が、自動情報収集エージェント技術を使用することにより約10時間で完了しました。 なお、本技術は現在、特許出願中です。

3. 今後の予定

MRIは、今回の共同研究の成果を活用し、情報収集作業が大きな負荷となっている企業や官公庁に対して、サービスの提供を進めていきます。また、今後も働き方改革や人材不足などの社会課題に対して、AI技術による解決策の構想と社会実装を目指します。
RPA:Robotic Process Automation

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