ニュースリリース

AIによる住民相談支援の実証を横須賀市で開始

「AI相談パートナー」を利用し自治体DXを推進
2020.12.15

株式会社三菱総合研究所

POINT

株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:森崎孝、以下 MRI)は、株式会社アイネス(代表取締役社長:吉村晃一、以下 アイネス)とともに自治体相談業務支援サービス「AI相談パートナー」を開発しています。 このたび、神奈川県横須賀市において、地域共生社会実現の柱の一つである包括的な住民相談支援(福祉総合相談等)を対象とした実証を開始します。

1. 実証の概要

超高齢社会への突入や自然災害の発生、さらにはコロナ禍などを背景に、行政に対する住民からの相談ニーズが高まる中、相談業務に従事する自治体職員の負担は増加の一途をたどっており、早期に抜本的に解決することが必要です。
自治体による住民相談業務においては、「職員の業務負担(特に、記録作成事務)の軽減」「福祉業務全般で、切れ目のない相談対応の実現」「職員の相談スキルの均質化とノウハウの継承」「福祉業務全般における傾向・予兆分析等のデータ活用」といった課題があります。
横須賀市ではこれらの課題解決に向け、「AI相談パートナー」を用いて以下のとおり実証を実施します。

利用サービス:自治体相談業務支援サービス「AI相談パートナー」
対象とする相談種別:福祉総合相談、ひとり親家庭向け貸付相談
期間:2020年12月16日~2021年3月31日予定

2. サービスの概要

自治体相談業務支援サービス「AI相談パートナー」は、MRI、日本ビジネスシステム株式会社(代表取締役社長:牧田幸弘)およびアイネスで取り組んでいるRegion-Tech構想の一環で提供するサービスです。
2040年問題として想定される職員数の減少、さらには福祉需要の増大に対応するために、自治体職員の働き方改革と住民サービス向上に貢献するととともに、自治体におけるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進を図るものです。
本サービスは、音声認識やデータ分析などのAI(人工知能)技術を用いて、子育て相談や生活困窮者相談などの住民相談を受ける自治体職員を支援します。
また、LGWAN(総合行政ネットワーク)環境下で利用でき、対面相談、電話相談、訪問相談いずれでも利用可能です。さらに、オンライン形式の相談でも利用できるよう検証中です。2021年1月に本格稼働し、2023年度までに60団体への導入を見込んでいます。
これまで、福祉分野をはじめとする相談業務では職員のスキル・ノウハウに基づく対応が多く、デジタル技術を活用することは困難でしたが、AI技術の進展によって支援することが可能となりました。「AI相談パートナー」の利用により、相談業務のデジタルシフトに向けた変革が一気に加速することが期待されます。

※「Region-Tech」構想の概要

「Region-Tech」構想は、自治体における「住民とのコミュニケーションのデジタル化」の促進により、地域課題を解決し、持続可能な地域づくりを目指すものです。住民による問い合わせ・相談から、申請・届出、さらに行政内部での審査に至るまでをデジタル化し、データ活用による住民サービスの改善や行政施策の立案など自治体DXを推進します。
「AI相談パートナー」の画面イメージと主な機能
「AI相談パートナー」の画面。会話をリアルタイムにテキスト変換し、会話内容に応じて必要な情報を表示する。
出所:アイネスおよび三菱総合研究所

3. 今後の展開

MRIは2020年に創業50周年を迎え、豊かで持続可能な未来の共創を使命として、あるべき社会未来の実現に向けて社会課題の解決を目指しています。MRIおよびアイネスでは、今後も社会課題の解決を支援するため、地域共生社会の実現に求められる福祉総合相談窓口での活用、AI機能の適用範囲拡充など、自治体向け「AI相談パートナー」のサービス機能の強化を予定しています。横須賀市以外の自治体でも本サービスを利用した実証を予定しており、ご協力いただく職員や住民のご意見・ご要望を反映させて、サービス改善につなげていきます。

お問い合わせ先

サービスに関する
お問い合わせ

株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
デジタル・トランスフォーメーション部門
統括室 協業推進グループ 青木・小峰
E-mail:ai-counselor@ml.mri.co.jp

報道機関からの
お問い合わせ

株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
広報部
Tel:03-6705-6000
E-mail:media@mri.co.jp