ニュースリリース

三菱総合研究所、東京2020大会のレガシーに関するアンケート調査を実施

レガシー創出は萌芽的、アスリート活躍の場づくりとレガシー活用、社会変革への貢献が重要
2022.1.26

株式会社三菱総合研究所

POINT

株式会社三菱総合研究所(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会(以下、東京2020大会)のレガシー※1に関するアンケート調査を実施し、本日、将来に向けた提言を発表しました。東京2020大会のレガシー創出は萌芽的であり、未来社会への変革継続が必要です。

1. 背景・経緯

MRIは、2014年4月に官民共創のプラットフォームとしてレガシー共創協議会(会長:早稲田大学間野義之教授)を設立し、東京2020大会のレガシー創出に向けた調査・提言、事業具体化等の活動を進めてきました。2021年に東京2020大会が開催されたことを踏まえ、何がレガシーとして生み出されたかを振り返り、評価するためのアンケート調査を実施し、その結果をもとに提言をまとめました。

2. 概要

(1) アンケート調査

東京2020大会については、その開催賛否に関する世論調査や、大会組織委員会によるレガシーレポートが公表されていますが、レガシーに関するアンケート調査は実施されていませんでした。MRIは、中京大学との共同研究として、東京2020大会におけるレガシーを評価し、その可能性を検討するための調査を実施しました。本調査の結果、以下の点が明らかとなりました(詳細内容は参考資料①を参照)。

  • 東京2020大会開催への賛同(約7割)が得られた一方で、ポジティブなインパクトや未来社会に向けたレガシー創出に関する認識は萌芽的(提示した未来像に対して2~3割程度)
  • 将来的な国際スポーツイベント誘致・開催に対して消極的(開催賛同者は2~3割程度)
  • 今後の大規模スポーツ大会等に向けて、アスリート活躍の場づくりとともにハード・ソフトのレガシー活用、社会変革への貢献が重要
  • 税金投入の最小化とESGR(環境・社会・ガバナンス・レジリエンス)への配慮の必要性

(2) 提言

東京2020大会はコロナ禍のもとでの開催となり、過去大会や事前計画に比較して限定的な運営、レガシー創出となりましたが、今後に向けて活かせる芽が生まれました。これらの芽を伸ばし結実させるため、以下を提言します(詳細内容は参考資料②を参照)。

  • レガシーは大会後10年以上先を見据えたものであり、今後の活用に向けて組織委員会、東京都、国等による正確な記録、誠実な総括、オープンな議論を継続する必要性がある
  • 特に重視すべきなのは、社会課題解決・社会変革につながる三つのレガシー:①アスリート等の社会での活躍、②ダイバーシティ&インクルージョンの浸透・新常態化、③社会・組織の意思決定プロセスの多様性・透明性
  • 今後の大会・大規模イベントは、社会・住民のためという開催意義・目的、透明性の高い合意形成プロセス、ESGRに配慮した開催方法とする必要性がある

3. 今後の予定

レガシー共創協議会は今回の検討・発信をもって終了しますが、今後レガシーを具体化していくためには、東京2020大会を契機に生まれた芽を社会変革に向けて継続的に伸ばしていくことが重要です。MRIではその一翼を担うべく、東京2020大会に期待されたレガシーの中でも、少子高齢・人口減少を見据えた「全員活躍、将来の国際社会やわが国を担う人材育成」や、MRIが提唱するFLAPサイクル※2による職の需給ミスマッチの解消に着目し、今回のアンケート調査でも国民から高い信頼(約6割)を得ているアスリートのセカンドキャリア創出に向けた研究・事業活動を具体的に進めていきます。

※1:大会を契機として社会に生み出され、長期にわたる持続的な効果

※2:MRIの造語であり、知る(自身の特性、適性、職の将来性など)【Find】 、学ぶ【Learn】 、行動する(異動、転職など)【Act】、活躍する【Perform】 という、人材流動化を促進するための一連のサイクル

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