AI事業推進の指針

三菱総合研究所は、知識創造企業として21世紀社会の発展に貢献するにあたり、AIに代表される先進技術の開発と利活用が不可欠と考えます。一方で、AIには法令遵守はもとより、公平性や透明性、安全性に関する課題が指摘されていることから、当社は、これら技術の利活用を人間中心の視点で捉えて「AI事業推進の指針」を定めております。本指針に基づき、国内外の多様なステークホルダーとともに、社会全般へのAI等の利活用および合意形成の推進に取り組んでまいります。

(1) 社会課題解決と未来社会の実現

  • 当社は、AI等の利活用により、さまざまな社会課題の解決を図るとともに人間の尊厳が尊重され、多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる持続可能な未来社会の実現を目指します。
  • 事業推進に際しては、便益の増進とともに、権利利益が侵害されるリスクの抑制を考慮し、これらの適正なバランスを確保することに努めます。さらには、AIをめぐる公正な競争環境の維持に努めます。

(2) 人間中心の社会の実現

  • 当社は、AI等の利活用による恩恵が多くの人に享受され、人間の尊厳と個人の自律が尊重される人間中心の社会の実現を目指します。
  • このため、多様性・公平性・安全性・プライバシーに配慮し、不当な差別を起こさないように、当社行動規準に則り適正な範囲および方法でAI等を利用します。

(3) 技術の継続的な改善およびイノベーションの実現

  • 当社は、AI等の技術革新や関連する法制度の状況を常に捉え、ステークホルダーとの適切な役割分担のもと、当社事業におけるAI等先進技術の継続的な改善およびイノベーションの実現を目指します。
  • このため、AI等に用いるデータの質・量に留意するとともに、AI等を適切に評価するよう努めます。また、AI等を構成するシステムやネットワークの相互連携に伴うリスク・セキュリティに留意します。

(4) 透明性と説明責任の重視

  • 当社は、AIサービスの入出力および判断結果の妥当性等を検証し、透明性のある説明ができるよう努めます。また、上記(1)~(3)への対応に係る適切な説明をステークホルダーに対して果たすよう努めます。

(5) AIガバナンスの運用

  • 当社は、経営層のリーダーシップのもと、上記(1)~(4)を確実に実現するため、AIガバナンス体制を構築し、適切に運用します。
  • 当社は社員に対し、AIに関する適切な知識・リテラシー・倫理観の育成を図るとともに顧客やビジネスパートナー等の人材育成を積極的に支援します。
2019年10月 制定
2024年7月 改定