三菱総合研究所は2020年9月に創業50周年を迎えました。
これを機に、次の50年を展望した「目指す未来社会」の姿と、その実現方策を明らかにするための研究成果として本書をまとめました。
これからの50年、世界の人口は100億人に達し、先進国を中心に100歳を超す人口の割合は高まり、人類はかつて経験したことのない人口拡大と高齢化の時代に突入します。世界的な人口増加とは逆に、急激な人口減少と超高齢化社会を迎える日本は、「課題解決」先進国になると同時に、「目指す未来社会」を実現するフロントランナーとしての役割が求められています。
気候変動や資源の枯渇、社会の格差や分断といった地球規模の課題に向き合いながら、「100億人・100歳時代」の豊かで持続可能な社会の実現に向け、重要なファクターとして革新技術「3X」と未来のコミュニティ「共領域」の構築を提案します。
「3X」は、デジタル、バイオ、コミュニケーションの領域で革新技術による社会変革です。「共領域」は、一人ひとりが協調し新たな価値を生む未来のコミュニティです。技術とコミュニティは、歴史的な社会構造の変化において、常に重要な役割を果たしてきました。本書では「目指す未来社会」への長期的なビジョン・目標とともに、「3X」と「共領域」による豊かで持続可能な未来社会の共創に向けた道すじを描きました。