2020年10月末に菅前首相が「2050年までにカーボンニュートラル(CN)の実現」を宣言してから約2年が経過し、その間、世界の脱炭素化の潮流は大きく加速した。一方で、2022年2月のウクライナ侵攻で、権威主義国にエネルギーを依存するリスクが顕在化し、脱炭素とエネルギー安全保障の両立がエネルギー分野における潮流となっている。この両立に向けた取り組みの一例として、EUタクソノミー※1に原子力・天然ガスを含めることが7月に決定しており、エネルギー種の多様な選択肢を有することの重要性を示唆している。また、英・仏では原子力発電所増設、独では石炭火力発電所への回帰、今年末で廃止を決定していた原子力発電所の一部活用の検討など、各国はエネルギー政策の見直しを進めている。
当社は、2022年7月4日に「2050年カーボンニュートラルの社会・経済への影響」を発表した。同レポートでは2050年に向けた日本の4つの将来シナリオを設定し、脱炭素社会への円滑な移行に向けて必要となる対策の方向性を提言した。この中で、原子力については、「残すというメッセージを明確に発することが重要」「技術・人材の維持、(再エネ大量導入時代に即した)原子力自体のイノベーションが必要」と述べており、本提言はこれについて具体化するものである。
当社は、2022年7月4日に「2050年カーボンニュートラルの社会・経済への影響」を発表した。同レポートでは2050年に向けた日本の4つの将来シナリオを設定し、脱炭素社会への円滑な移行に向けて必要となる対策の方向性を提言した。この中で、原子力については、「残すというメッセージを明確に発することが重要」「技術・人材の維持、(再エネ大量導入時代に即した)原子力自体のイノベーションが必要」と述べており、本提言はこれについて具体化するものである。