「豊かさ」と「持続可能性」が両立する未来社会を実現するためには、両輪として進めるべき重要な2つのキーファクターがある。それは、人間の能力や可能性を拡張する革新技術による変革である「3X※1」の活用と、一人ひとりの個の力を協調させ新たな価値を生む未来のコミュニティ「共領域※2」の構築だ。
今後めざましい進化が期待される革新技術が個人の能力の拡大や自由なつながりを後押しすることは間違いないが、それだけでは社会全体として大きな価値を創出することが難しい。それぞれが自律性を持ち、世界に分散する人、社会、技術などをつないで協調させる「自律分散・協調」型の未来社会の構築が必要となる。そのために必要なのが自律分散した個人・組織・社会を協調し、つなぐための「共領域」である。
※1:3Xとはさまざまな領域における革新技術がもたらす3つの変革を指す。DX(デジタル・トランスフォーメーション)、 CX(コミュニケーション・トランスフォーメーション)、BX(バイオ・トランスフォーメーション)。
※2:CX、BXおよび共領域は三菱総合研究所の造語。