日本労働者信用基金協会と三菱総合研究所、審査AIサービスの導入に合意

日本労信協は、労働金庫のお客様の非対面ニーズに対応するために、2018年10月からカードローン、2021年9月から無担保証書貸付について、Web完結型保証審査の取扱いを開始しています。今後、Web完結型保証審査を導入する労働金庫の増加や取扱商品の拡大を見込む中、審査業務の効率化や審査結果回答のスピード向上が課題となっていました。

MRIは2020年12月から、リテールローン商品の審査業務をAIモデルで自動化する「審査AIサービス」を提供しており、2021年8月から2022年2月にかけて日本労信協のWeb完結型保証審査への本サービスの適用可能性について実証を行ってきました。実証の結果、判別性能の高いAIモデル構築が可能であり、受付案件の最大80%を自動審査で処理できる可能性が確認されたため、このたび「審査AIサービス」の導入に合意しました。

2022年4月から本サービスの利用に向けたシステム開発を行い、2023年1月から利用を開始する予定です。

日本労信協のWeb完結型保証審査は、労働金庫のホームページとWeb完結型保証審査システムを接続することで、ローン申込から契約締結までの手続きをWeb上で完結できる仕組みとなっています。

Web完結型保証審査システムにおいて日本労信協が申込受付から保証審査まで行い、申込案件の情報と保証審査結果を労働金庫が利用する審査支援システムに連携します。労働金庫は保証審査結果を踏まえて融資審査から融資実行まで行います。お客様に対する審査結果の通知や契約締結は、申込受付時にWeb完結型保証審査システムから発行される顧客マイページで行います。

2018年10月からカードローン、2021年9月から無担保証書貸付について、一部の労働金庫が本システムの取扱いを開始しています。

経営環境や競合状況など金融機関を取り巻く環境が厳しくなる中、リテールローン商品の融資審査業務には「回答スピード」「効率性」「客観性」のさらなる向上を目指した業務のDXが求められています。また、コロナ禍後のニューノーマルに適応した業務のBCP（事業継続計画）の再構築が必要不可欠な状況にあります。

MRIが提供する「審査AIサービス」は、従来人間（審査官）が行っていた審査の諾否判定（融資可否の判断）を学習したAIモデルを搭載した「審査AIシステム」を、金融機関の審査業務システムに連携させることで、審査の自動化を促進し審査業務のDXを支援します。

申し込みを受け付けた各案件に対して、AIモデルによって承認確率が算出され、この値に応じて業務フローの制御が可能となります。これにより、全体の50％～80％程度の案件について人間の審査を介さずに自動かつリアルタイムでの承認回答が可能となります。

審査AIシステムと審査業務システムの連携はAPI^※1によって行われるため、審査業務システム側はインターフェース等の小規模な改修のみとなり、現実的な時間とコストでAIモデルを導入することが可能です。また、金融機関ごとに独立した審査AIシステムを構築するため、AIモデルのモニタリングやメンテナンスが行いやすく、高い保守性を実現します。