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元プロボクシング選手 村松竜二氏 セカンドキャリアインタビュー
元プロボクシング選手 村松竜二氏 セカンドキャリアインタビュー
「オレは自分が輝くのではなくて、障がい者たちを輝かせることによって、オレ自身が輝けるのではないか」と思ったのです。
「何のためにやるのか?」 本質に気づいたときにターニングポイントがやってくる。
引退アスリートのキャリア成功の鍵
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2020.4.27
交通事故で左手に障害を患い、眼底骨折で右目が見えない中、プロボクサーとして日本ランク1位まで登り上がった村松竜二氏。障害があっても「やればできる」を体感してきたからこそ、障害を持っている人たちにも一つひとつをクリアして自信にしてもらいたい。日本初の自立支援のボクシングジムと一般社団法人B-boxの立ち上げの秘話と、選手が引退後に気づかねばならない大事なことをお聞きしました。
「人の為が自分の為」と気づくまで
—— さっそくですが、簡単にプロボクシング選手としての経歴を教えてください。
村松
1992年11月12日に専門学校生の時の18歳で、石川ボクシングジム所属としてデビューし、2004年9月1日30歳で現役引退しました。日本ライトフライ級1位。日本タイトルマッチ4回挑戦。36戦22勝10KO12敗2分です。
—— 現役の時に交通事故に遭われたとお聞きしましたが・・・。
村松
1994年の時にバイクでカーブに差し掛かったところトレーラーに引っ掛けられるというひき逃げ事故に遭いました。その事故で、左手の4本の指の腱を切り左手首が曲がらない障害を負いました。
—— ボクサーとして左手が使えないのは致命傷ですが、それでも現役を続けられたのですか?
村松
はい。負けず嫌いもあり、こういう形での引退は考えられず、ボクシングを続けました。左手はほとんど機能しませんでしたが、右手一本で戦う「竜の爪」の異名を授けられました。
写真:村松氏提供
—— 引退のきっかけは何でしたか?
村松
2002年の試合で右目眼底骨折をした影響で以降右目が見えずに戦っていました。2004年9月1日の試合で左フックが見えずにKOされました。ちょうど年齢も30歳で会長からも「これからの人生もあるのだから」と引退を勧められました。
—— 2004年9月の試合を最後にリングを離れましたが、15年の時を経て、2019年2月17日東京都立川市での初のプロボクシング興行が立飛アリーナで開催された際に引退試合(エキシビション)を披露されました。テンカウントゴングが鳴らされ、現役として最後のリングに別れを告げたのはどういう経緯だったのでしょうか。
村松
選手として踏ん切りをつけるためにですね。目が見えない、左手が使えない、年齢などを言い訳にしたくないという負けず嫌いでプロボクサー村松は成り立っていました。怪我のせいで辞めて後ろ指をさされたり、「村松竜二はダセーな」と言われるのが嫌だった。ハンデがあっても「やればできる」ことを見せてきました。引退という言葉から目を背け、2004年9月以降はプロのリングにはあがっていませんが、アマチュアボクシングのイベント「おやじファイト」は続けていました。そうしたときに、有り難いことに引退試合のお声がけをいただきリングに立ち、中途半端な気持ちに終止符を打つことにしました。
—— 負けず嫌いから引退という言葉に背を向けていた心境に何か変化があったということでしょうか。
村松
プロのリングから身を引いたとしても、まだスポットライトを浴びたいという気持ちがありました。自分が輝く欲求のためにアマチュアのリングにあがっていたのです。そんなときに、友人を介して障がい者の自立支援塾を知り、「オレは自分が輝くのではなくて、障がい者たちを輝かせることによって、オレ自身が輝けるのではないか」と思ったのです。障害のある方々と接して気持ちが変わってきました。
—— この気づきが、障がい者ボクシング指導や青少年健全育成・自立支援・ブラインドボクシング指導などに特化した一般社団法人B-boxにつながっていくのですね。
村松
そうです。B-boxは以前より障がい者関係の支援活動団体として発足しており、寄付などを募ってボクシングボランティア活動を行っていましたが、障がい者の方々にボクシングを通して自信を付けてもらう場を作りたいと考え、2018年に法人化し、代表になりました。
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