三菱総合研究所、七十七銀行と審査AIサービスの正式導入に合意

経営環境や競合状況など金融機関を取り巻く環境が厳しくなるなか、リテールローン商品の融資審査業務には、お客さまの利便性および生産性のさらなる向上を目指すため、DX推進を通じた「回答スピード」「効率性」「客観性」の向上が求められています。

MRIと七十七銀行は、2023年1月から、七十七銀行の住宅ローンのうち、七十七信用保証株式会社が取り扱う案件の審査業務を対象に、MRIが提供する「審査AIサービス」の導入に向けた実証を行ってきました^※1。結果、判別性能の高いAIモデル構築が可能であり、AI審査は従来の人間による審査に代替することが可能と評価できたため、このたび「審査AIサービス」の導入に合意しました。

審査AIサービス導入により、これまで人間が行っていた審査判断をAIが行うことで、業務の効率化・迅速化を図り、お客さまへのスピーディーな回答の実現を目指します。

MRIが提供する「審査AIサービス」は、従来、人間（審査官）が行っていた審査の諾否判定（融資可否の判断）を学習したAIモデルを搭載した「審査AIシステム」を、金融機関のローン審査システムに連携させることで、審査の自動化を促進し審査業務のDXを支援します。

申し込みを受け付けた各案件に対して、AIモデルによって承認確率を算出し、この値に応じて業務フローを制御します。これにより、全体の50％～70％程度の案件について人間の審査を介さずに自動かつリアルタイムでの承認回答が可能となります。

「審査AIサービス」のAIモデルは、諾否判定に必要な全ての情報を用いて各金融機関のクレジットポリシーを再現するため、従来の信用スコアリング＋システム上のルールチェックによる方式などと比較して、大幅に自動化率が向上します。

MRIが提供する審査AIシステムと金融機関側のローン審査システムの連携はAPI^※2によって行われるため、ローン審査システム側のインターフェースなどの小規模な改修のみで済みます。そのため、現実的な時間とコストでAIモデルを導入することが可能です。また、金融機関ごとに独立した審査AIシステムを構築するため、AIモデルのモニタリングやメンテナンスが行いやすく、高い保守性を実現します。

「審査AIサービス」はこれまでに銀行、保証会社含め複数の金融機関への導入実績があり、住宅ローンから無担保証貸ローン、カードローンなど、あらゆるリテールローン商品に対応し、審査業務の効率化、高度化を実現しています。

2023年10月から本サービスの利用に向けたシステム開発・受入テストを開始しており、2025年からの実務適用を目指しています。MRIでは、この取り組みを通じて、AIモデルの性能やユーザビリティの向上など、「審査AIサービス」のさらなる高度化を図っていきます。