ニュースリリース

三菱総合研究所、無担保ローンのコンソーシアムを組成

国内最大級の住宅ローン共同データベースに続く組成・運営、全国版モデルも提供開始
2023.11.13

株式会社三菱総合研究所

POINT

株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、無担保ローンの与信リスクに関するコンソーシアム「無担保ローン・データ・コンソーシアム」を組成し、共同データベースの構築・運用を開始しました。約20の加盟金融機関の豊富なデータ(申込情報:約170万件、デフォルト情報:約1.3万件など)をもとに、各種詳細分析、全国レベルのトレンド比較などを実施し、リスク管理の高度化を支援します。また、共同データベースに基づいて構築する全国版モデルは、各金融機関の与信判断の実務に活用可能です。

1. 背景

近年、金融機関を取り巻く環境は、人口減少・少子高齢化、金利上昇の懸念、コロナ禍以降の新常態、非金融機関など新たな競合の台頭など、さまざまな要因により変化しています。リテール事業の主力商品であった住宅ローンの収益性が低下する中、収益改善のために無担保ローンを含めたリテールローン全般に対する分析の重要性が高まっています。

MRIは25年以上にわたり、金融機関のリテールローンの与信業務を支援してきました。2010年には共同データベース「住宅ローン・データ・コンソーシアム」※1を組成し、運営しています。

無担保ローンでも与信モデルの構築・分析を実施してきましたが、昨今のリスク管理に対する関心の高まりや、ユーザーからの要望、および十分なデータ蓄積を受け、新たに「無担保ローン・データ・コンソーシアム」を組成しました。10年以上にわたる住宅ローン・データ・コンソーシアムの運営により培ったノウハウを、無担保ローン・データ・コンソーシアムの運営にも生かします。

2. 概要・特徴

無担保ローンの共同データベースは、約20の加盟金融機関から拠出される豊富なデータ(2023年10月時点:総件数約170万件の申し込み案件情報、約1.3万件のデフォルト情報など)を基に構築し、情報を蓄積します。また、共同データベースに基づき、リスクモデルの「全国版モデル」を構築し、各金融機関モデルの特徴やポジショニング分析など、金融機関単独では分からない高付加価値情報を還元します。

無担保ローン・データ・コンソーシアムの組成により、国内最大級※2 の住宅ローン共同データベースに無担保ローンデータが加わり、共同データベースの対象範囲はリテールローン全般をカバーします。

MRIは、この共同データベースに基づいて、商品性に合わせた3つの全国版モデルを構築し、提供を開始しました。初期与信スコアリングモデルとして、これら全国版モデルを導入することも可能です。
図 コンソーシアムと全国版モデル
コンソーシアムと全国版モデル
クリックして拡大する

出所:三菱総合研究所
また、無担保ローン・データ・コンソーシアム加盟金融機関が参集し交流を行う場として、「ユーザー会」を開催します。ユーザー会では、共同データベースを用いた分析結果の報告や、無担保ローンの全国トレンドや規制対応など、最新のトピックに関する情報提供を行う予定です。住宅ローン・データ・コンソーシアムにおけるユーザー会は、加盟金融機関のご担当者さま同士の情報交換やネットワーク構築の場として、好評の声をいただいています。

MRIはこれらの取り組みを通じて、リテールローン全般のリスク管理や推進、収益性の向上を支援します。

3. 今後の予定

コンソーシアムの豊富なデータを用いて、AIモデル構築などによるリスク管理の高度化につながるサービス開発、住宅ローンを絡めたリテールローン全般に対する分析や施策検討の実施、途上管理データなどを含めた共同データベースの対象範囲拡張などを検討しています。また、加盟金融機関の意見・要望を随時取り入れ、サービスを拡充します。

※1:住宅ローン・データ・コンソーシアム

※2:当社調べ。比較的規模の大きな地方銀行を中心に加盟いただいており、第一地銀の住宅ローン残高全体のおよそ半数のシェアを占める。

お問い合わせ先

内容に関する
お問い合わせ

株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
金融コンサルティング本部 能鹿島、力丸、日色
Tel:03-6858-3580
E-mail:retail_cnsm_support@ml.mri.co.jp

報道機関からの
お問い合わせ

株式会社三菱総合研究所
〒100-8141 東京都千代田区永田町二丁目10番3号
グループ広報部
E-mail:media@mri.co.jp