日本の人材ポートフォリオは、創造性と分析的思考を要求される業務領域の人材(図1右上の17%)が欧米(米国25%、英国39%)に比べて少ないのが現状です。この領域には経営職や企画職、営業職、専門技術職などが含まれ(以下「ナレッジワーカー」)、そのパフォーマンスは企業の戦略や競争力にも大きく影響します。
生産年齢人口の減少が急速に進む日本において、イノベーションと競争力を強化していくためには、ナレッジワーカーの拡充とパフォーマンス向上が大きな課題の一つとなります。
近年急速に発展している生成AIは、これまでのAIでは難しかった創造性・分析的思考が求められる非定型な業務にも適用できる技術です。生成AIにより、①ナレッジワーカーへの転身・リスキリングを容易にする(育成)、②ナレッジワークに付随するルーティン業務の自動化(時間創出)、③ナレッジワーカーの創造力を高める(強化)が可能になります。
[図1] 日本の人材ポートフォリオ(2020年)
![[図1] 日本の人材ポートフォリオ(2020年)](/service/dia6ou000005brxj-img/large-language-model-support_002.png)
出所:米国O*NETデータ、国勢調査、労働力調査他より三菱総合研究所作成