—— 29歳のころに過食症は完治しましたが、そこからのセカンドキャリアを、どう歩まれようと思われましたか。
加藤 過食症が治っても自分に自信がもてませんでした。その後の人生を考えようとしますが、何も思いつきません。今までの自分を振り返ったときに、一貫して表現者でありたいと思っていたことに気付きました。今度は氷上ではなく、地上での表現者としてチャレンジしてみたいと。ブランクの長さや年齢的な迷いもありましたが、現実に向き合えるようになった自分を感じたのです。
—— 「地上」の表現者へのチャレンジは何から始めたのですか。
加藤 ブランクもあるため基礎から表現力を磨きたいと思い、2017年秋から総合学園ヒューマンアカデミー名古屋校パフォーミングアーツカレッジに入学しました。2019年3月に卒業したのですが、在学中に校舎内で行われたプロダクション東京ドラマハウスという芸能事務所のオーディションを受け、合格することができました。そして、2019年4月に活動の拠点を東京に移しました。
—— 約1年半のレッスンでオーディションに合格するというのはすごいことですね。過食症が治ったとはいえ、一人暮らしに対する不安はありませんでしたか。
加藤 まったくありませんでした。むしろ東京での生活に未来の可能性を抱いて上京しました。唯一気になっていたことは年齢的なことでしたが、女優や俳優などの表現者に年齢は関係ないと割り切りました。チャレンジができる未来への期待値の方が上回っていました。
—— 演技は年齢ではないですし、加藤さんの場合はフィギュアスケートで培った素地がありますので、事務所にとっても違う意味での期待感はあったと思います。入所されていかがでしたか。
加藤 事務所に所属をしたからといってすぐに仕事がもらえるわけではなく、演技レッスンを受けながら力を付けていきました。もともとダンスは好きでしたが、同じ踊りでも今まで触れたことのない「和の踊り」である日舞も始めました。殺陣(たて)にも挑戦したいと思っています。
—— 初めての仕事は何でしたか。
加藤 2019年冬に、映画のエキストラの仕事をいただきました。これが初めての現場経験でした。とても寒い日でしたが、何時間も屋外で撮影しました。大勢の中での一人ですので、全体の呼吸を合わせなければいけない大変さを知りました。進行の段取りやカメラワークなど、撮影の裏側を見ることが初めてでしたので、新鮮でした。現場を体験したことにより、もっと自分に磨きをかけて、近い将来、役名がもらえるポジションになれるように頑張ろうと思いました。
—— 加藤さんの現在の上司(指導者)はどのような方ですか。
加藤 プロダクション東京ドラマハウスの代表である井口成人さんです。第一印象は、何に対しても自分を抑えず表現する「すごく熱い人」です。これは私と真逆で、私は自分が思っていることをはっきり言えずに閉じこもるタイプですが、井口さんは思ったことをはっきり言いますし、自分がコレだと思ったことはすぐに実行されます。私がもっていないものをもっているという意味での熱い人です。演技に対しても思いが深く、厚みがあり、強い。とても尊敬していますし、私も自分の意志を熱く伝える人になりたいと思っています。
—— 良き恩師であり目標となりますね。上京してきて1年以上がたちましたが、何でも話せる友人はできましたか。
加藤 一緒にレッスンをする仲間やアルバイト先で、何でも話せる友人ができました。過食症を乗り越えるときに思っていることを打ち明ける大切さは学びましたので、意識的にためこまないで、言うときは言うように心掛けています。両親とは毎日のように連絡を取り合い、なるべく自分から発信するようにしています。
加藤 過食症が治っても自分に自信がもてませんでした。その後の人生を考えようとしますが、何も思いつきません。今までの自分を振り返ったときに、一貫して表現者でありたいと思っていたことに気付きました。今度は氷上ではなく、地上での表現者としてチャレンジしてみたいと。ブランクの長さや年齢的な迷いもありましたが、現実に向き合えるようになった自分を感じたのです。
—— 「地上」の表現者へのチャレンジは何から始めたのですか。
加藤 ブランクもあるため基礎から表現力を磨きたいと思い、2017年秋から総合学園ヒューマンアカデミー名古屋校パフォーミングアーツカレッジに入学しました。2019年3月に卒業したのですが、在学中に校舎内で行われたプロダクション東京ドラマハウスという芸能事務所のオーディションを受け、合格することができました。そして、2019年4月に活動の拠点を東京に移しました。
—— 約1年半のレッスンでオーディションに合格するというのはすごいことですね。過食症が治ったとはいえ、一人暮らしに対する不安はありませんでしたか。
加藤 まったくありませんでした。むしろ東京での生活に未来の可能性を抱いて上京しました。唯一気になっていたことは年齢的なことでしたが、女優や俳優などの表現者に年齢は関係ないと割り切りました。チャレンジができる未来への期待値の方が上回っていました。
—— 演技は年齢ではないですし、加藤さんの場合はフィギュアスケートで培った素地がありますので、事務所にとっても違う意味での期待感はあったと思います。入所されていかがでしたか。
加藤 事務所に所属をしたからといってすぐに仕事がもらえるわけではなく、演技レッスンを受けながら力を付けていきました。もともとダンスは好きでしたが、同じ踊りでも今まで触れたことのない「和の踊り」である日舞も始めました。殺陣(たて)にも挑戦したいと思っています。
—— 初めての仕事は何でしたか。
加藤 2019年冬に、映画のエキストラの仕事をいただきました。これが初めての現場経験でした。とても寒い日でしたが、何時間も屋外で撮影しました。大勢の中での一人ですので、全体の呼吸を合わせなければいけない大変さを知りました。進行の段取りやカメラワークなど、撮影の裏側を見ることが初めてでしたので、新鮮でした。現場を体験したことにより、もっと自分に磨きをかけて、近い将来、役名がもらえるポジションになれるように頑張ろうと思いました。
—— 加藤さんの現在の上司(指導者)はどのような方ですか。
加藤 プロダクション東京ドラマハウスの代表である井口成人さんです。第一印象は、何に対しても自分を抑えず表現する「すごく熱い人」です。これは私と真逆で、私は自分が思っていることをはっきり言えずに閉じこもるタイプですが、井口さんは思ったことをはっきり言いますし、自分がコレだと思ったことはすぐに実行されます。私がもっていないものをもっているという意味での熱い人です。演技に対しても思いが深く、厚みがあり、強い。とても尊敬していますし、私も自分の意志を熱く伝える人になりたいと思っています。
—— 良き恩師であり目標となりますね。上京してきて1年以上がたちましたが、何でも話せる友人はできましたか。
加藤 一緒にレッスンをする仲間やアルバイト先で、何でも話せる友人ができました。過食症を乗り越えるときに思っていることを打ち明ける大切さは学びましたので、意識的にためこまないで、言うときは言うように心掛けています。両親とは毎日のように連絡を取り合い、なるべく自分から発信するようにしています。