世界の都市人口は2000年代半ばに農村人口(非都市人口)を上回り、現在は世界人口の54%、約39億人に達している。さらに国連の予測によれば、世界の都市人口は、2030年には全人口の60%(約51億人)、2050年には66%(約63億人)に増加する。
世界の都市人口の増加の中心となるのはアジアとアフリカである。2050年までに都市人口増加が著しい国は、インド(4.04億人)、中国(2.92億人)、ナイジェリア(2.12億人)と予測されている。
従来、都市化は、人口集積地周辺への工業集積の形成と、そこへの農村人口の流入から始まるとされてきた。やがて都市人口集積がもたらす都市型のサービス経済の発展が国全体の産業高度化を促し、その国のGDPを押し上げていく。日本の戦後の高度経済成長はまさにこのパターンであった。韓国、台湾など第二次大戦後に急成長を遂げた東アジア諸国も、おおむねこのパターンで発展を遂げてきた。
一方で、東アジア諸国よりも遅れて都市化が始まった国々では、必ずしもこのパターンが実現していない。例えば南米諸国は、第二次大戦後の一時期に急速に工業化が進展したものの、その後の世界的な産業競争の中で成長が停滞し、農業輸出国としての発展に切り替えている。アフリカ諸国では、工業化にも農業の近代化にも失敗した結果、農村から都市にあてのない人口流入が続いている。中国は急速な工業化と経済成長に成功したが、その成長があまりに急激だったため、都市への人口集中の「オーバーシュート」状況が発生している。紛争の続く中近東でも、健全な都市発展が図られていない。近年では、都市化が必ずしも国全体の発展に結びつかない状況となっている。
世界の都市人口の増加の中心となるのはアジアとアフリカである。2050年までに都市人口増加が著しい国は、インド(4.04億人)、中国(2.92億人)、ナイジェリア(2.12億人)と予測されている。
従来、都市化は、人口集積地周辺への工業集積の形成と、そこへの農村人口の流入から始まるとされてきた。やがて都市人口集積がもたらす都市型のサービス経済の発展が国全体の産業高度化を促し、その国のGDPを押し上げていく。日本の戦後の高度経済成長はまさにこのパターンであった。韓国、台湾など第二次大戦後に急成長を遂げた東アジア諸国も、おおむねこのパターンで発展を遂げてきた。
一方で、東アジア諸国よりも遅れて都市化が始まった国々では、必ずしもこのパターンが実現していない。例えば南米諸国は、第二次大戦後の一時期に急速に工業化が進展したものの、その後の世界的な産業競争の中で成長が停滞し、農業輸出国としての発展に切り替えている。アフリカ諸国では、工業化にも農業の近代化にも失敗した結果、農村から都市にあてのない人口流入が続いている。中国は急速な工業化と経済成長に成功したが、その成長があまりに急激だったため、都市への人口集中の「オーバーシュート」状況が発生している。紛争の続く中近東でも、健全な都市発展が図られていない。近年では、都市化が必ずしも国全体の発展に結びつかない状況となっている。