現状の世界経済は大幅な減速を回避し、緩やかながらも成長軌道を確保している。
先行きの世界経済は、24年から25年にかけて底堅い成長が続くと見込む。米国経済は、ハイペースでの移民増や産業政策を追い風とする堅調な設備投資を背景に、既往の金融引き締めによる需要抑制が顕在化するなかでも2%前後の高成長が続くと予測する。欧州経済は、引き締め的な金融環境が継続するが、実質賃金の増加に伴う消費の持ち直しにより、25年は1%台まで回復するだろう。中国経済は、24年は不動産調整長期化の下押しを財政支出拡大で相殺し、政府目標並み(5%前後)の成長となるが、25年は4%台半ばまで低下するだろう。今後の世界経済の注目点は次の3つである。