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【提言】第7次エネルギー基本計画で求められる「CN×CE」の政策融合

脱炭素投資から1兆円の付加価値還流を目指す

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2024.6.5

English version: 3 September 2024

株式会社三菱総合研究所

株式会社三菱総合研究所(代表取締役社長:籔田健二、以下 MRI)は、エネルギー基本計画の見直しにあたり、カーボンニュートラル(CN)とサーキュラーエコノミー(CE)に関する政策融合の意義とその実現に向けた方策について提言します。

1. 背景

2024年はエネルギー基本計画、循環型社会形成推進基本計画という重要な基本計画の策定が進む年であり、今後数年の方向性を定める重要なターニングポイントです。MRIではかねて「カーボンニュートラル資源立国」 を掲げ、カーボンニュートラル(CN)とサーキュラーエコノミー(CE)に関する政策融合が、資源に乏しい日本における持続可能社会実現のカギであることを発信してきました。

上記背景から、MRIでは重要な基本計画検討のタイミングにあわせ、日本における「CN・CE融合」に関する政策提言レポートを新たに公表しました。具体的には、CN・CEの融合の全体像と相乗効果を定量分析から明らかにすると共に、企業アンケート・企業インタビューを通じて現状直面している課題を抽出し、解決に向けた処方箋を示しました。

2. 本政策提言の概要

CN移行に伴い、今後日本で顕在化する課題に対し、CEは解決のカギになります。エネルギー需給モデルを用いた評価では、CN・CE融合の相乗効果として、①エネルギー・経済安全保障上のリスク緩和、②脱炭素化における対策費用の削減(下図)、③国内への付加価値還流(年1兆円規模のポテンシャル)といった点が示されました。
2050年温室効果ガス(GHG)削減目標と限界削減費用
三菱総合研究所作成
他方で、現状ではCNとCEの融合は各社の個別最適の壁もあり十分に進んでいません。企業アンケート・インタビューからは、大きく「CN・CEのトレードオフ解消」「CEに係る情報開示・連携強化」「リサイクルコストに対する意識のギャップ解消」が克服すべき課題群として抽出されました。

これらの解決に向けた方向性として、①CNと整合した政府CE目標の設定、②情報流通プラットフォームを活用した業界横断連携、③CN・CE価値に対するコンセンサス醸成の3点をMRIは提示します。①は目標の具体化とコアとなる指標(人口当たり天然資源消費量、インフロー循環率等)の設定、②は業種別の先行度合いの違いを踏まえた上での「業種横断の具体的な成功例」の共有と発信から取り組む必要があり、③は政府調達に対するCN素材や再生材利用の要件化など、それぞれにより詳細な打ち手に落とし込むことが必要です。

詳細はレポート本文をご参照ください。また、分析にあたってのデータセットも公開しておりますので必要に応じてご参照ください。
CN以降における課題と移行に向けた方策
三菱総合研究所作成

レポート全文

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3. 今後の予定

社会課題が複雑化・多層化する昨今、分野融合での検討意義はますます高まっています。MRIは総合研究所としての「統合知」を活用して、今後も従来の領域にとどまらない研究・提言を実施し、レジリエントで持続可能な社会の実現に貢献します。

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