ビジネスで生成AIの利活用を進めるためには、その阻害要因を特定し、解消する必要があります。MRIが国内5産業(製造業、情報通信業、卸売・小売業、医療・福祉業、教育・学習支援業)に勤める社会人約1万人を対象に実施したアンケートによると、業務での生成AIの活用意向が50%を超えるのに対し、実際の活用率は14.6%にとどまっていました。主な阻害要因は、企業内での「利用環境の未整備」と、「信頼性(正確性、安全性、セキュリティ、アカウンタビリティなど)に対する懸念」で、特に、信頼性を懸念すると回答した人は60%を超えていました。今後は社内ルールや支援体制など利用環境を整える企業が増加していく中で、信頼性の問題が最大のハードルになると想定されます。
図表 生成AIの活用にあたって懸念する事項(信頼性に関連する項目)
注:複数回答のアンケート調査項目
三菱総合研究所作成 「生成AIの信頼に関するアンケート調査」(2024年6月)