気候変動、生物多様性の消失などのさまざまな環境問題がわれわれの日常生活を脅かしている。原因の一端は、一方向的な大量生産・大量消費・大量廃棄を増長するリニアエコノミー(線形経済)にあり、持続可能なかたちで資源を利用する「サーキュラーエコノミー(CE:循環経済)」への移行が急務となっている。
しかし個別の資源・製品に落とし込んでCEへの移行を考えた場合、資源を循環させることの制約や限界が見えてくる。日本の基幹産業である自動車を例にとると、国内の四輪車生産台数約785万台のうち、輸出台数は約382万台である。「製造」と「国内消費」の間で、約半分の資源が海外に流出していることになる※1。
消費後の「排出・回収」と「処理・リサイクル」の過程でも、摩耗や不法投棄などに伴うロスは発生する。従ってCEに移行したとしても、同じ量の製品をつくり続けるかぎりは、循環の過程で失われるのと等しいか、それを上回る量のバージン資源(一次資源)を新たに投入する必要がある。
さらに2050年のカーボンニュートラル(CN)実現という制約が加わり、循環の各プロセスでCNにつながる取り組みが求められる(図1)。処理・リサイクル過程では、熱回収を伴わない焼却システムやエネルギー多消費型のリサイクル手法など、CNに逆行する手段は見直す必要がある。追加投入する一次資源の生産や流通などの過程でも同様である。
また今後、製造・販売量が爆発的に増える太陽光発電、風力発電、蓄電池などの製品については、新たに資源循環システムを設計・構築し、運用に結び付けていくことが求められている。
しかし個別の資源・製品に落とし込んでCEへの移行を考えた場合、資源を循環させることの制約や限界が見えてくる。日本の基幹産業である自動車を例にとると、国内の四輪車生産台数約785万台のうち、輸出台数は約382万台である。「製造」と「国内消費」の間で、約半分の資源が海外に流出していることになる※1。
消費後の「排出・回収」と「処理・リサイクル」の過程でも、摩耗や不法投棄などに伴うロスは発生する。従ってCEに移行したとしても、同じ量の製品をつくり続けるかぎりは、循環の過程で失われるのと等しいか、それを上回る量のバージン資源(一次資源)を新たに投入する必要がある。
さらに2050年のカーボンニュートラル(CN)実現という制約が加わり、循環の各プロセスでCNにつながる取り組みが求められる(図1)。処理・リサイクル過程では、熱回収を伴わない焼却システムやエネルギー多消費型のリサイクル手法など、CNに逆行する手段は見直す必要がある。追加投入する一次資源の生産や流通などの過程でも同様である。
また今後、製造・販売量が爆発的に増える太陽光発電、風力発電、蓄電池などの製品については、新たに資源循環システムを設計・構築し、運用に結び付けていくことが求められている。
[図1] カーボンニュートラル(CN)制約下での資源循環に求められる条件