新幹線整備と地域振興との関係を論じる際には、「どの段階で、どのような主体に、どのような効果が、どの程度出現するのか」といういわゆる整備効果論を踏まえておくことが必要だ。整備効果を的確に把握することで、進行中のプロジェクトや計画・構想中のプロジェクトを新幹線整備との関連から見直したり、新たな施策の提案を行ったりすることが可能となる。
新幹線整備に伴う一般的な効果を図1に示す。効果は、施設の供用開始以前の建設段階で事業に起因して発生する「フロー効果」と、施設の供用開始以降に生じる利用者効果や波及効果などの「ストック効果」に大別される。地域振興との関連では、特に後者のストック効果が注目される。以下では、個々の効果の解説は省き、むしろこれらの効果を上手く引き出すための着眼点を紹介する。
新幹線整備に伴う一般的な効果を図1に示す。効果は、施設の供用開始以前の建設段階で事業に起因して発生する「フロー効果」と、施設の供用開始以降に生じる利用者効果や波及効果などの「ストック効果」に大別される。地域振興との関連では、特に後者のストック効果が注目される。以下では、個々の効果の解説は省き、むしろこれらの効果を上手く引き出すための着眼点を紹介する。
図1 新幹線整備に伴う効果体系