2023年は日本・ベトナム外交関係樹立50周年にあたる節目の年であった。これに合わせてベトナムではさまざまなイベントが開催されるなど盛り上がりを見せた一方、日本の存在感は低下していると指摘されている。世界からベトナムに対する注目が集まるなかで、日本はどのようにベトナムと関係を築いていくべきだろうか。
※1:ベトナムの基本的な外交戦略は戦略的自律であり、西側諸国と覇権主義国(中露)の双方と関係を維持している。本稿では詳述しないが、中国からベトナムに生産拠点を移した西側企業を追って、サプライヤーの中国企業もベトナムに進出しているほか、政府レベルでは「一帯一路」での継続的な協力を確認している。
※2:NICの開催報告は下記を参照。
https://nic.gov.vn/
※3:「ベトナム半導体サミット」には、日本からはホーチミン市で半導体設計を行っているルネサスデザインベトナム社が登壇した。
※4:正式名称は「第144条 責任不足により国家財産に重大な被害を引き起こした罪」(JICAによる日本語訳)。ある案件によって国家財産に重大な損失が起こった場合に、その案件を担当した公務員に対して懲役刑等が課せられることから、インフラなどの案件が進まない一因となっているとの指摘がある。