現状の世界経済は減速傾向にある。国際情勢が一段と不安定化しており、不確実性が高まっている。
先行きの世界経済は、不確実性が高い状況が続くなか、過去と比べて低い成長率にとどまると見込む。米国経済は、既往の金融引き締めによる需要下押し効果がタイムラグを伴って顕在化することから、24年にかけて+1%程度まで成長率が減速すると予測する。欧州経済は24年にかけて成長率がやや上向くものの、労働需給のミスマッチなどからインフレ圧力が強く、+1%を下回る成長率が続くとみる。中国経済は、不動産市場の調整と雇用・所得の回復の鈍さを背景に、景気刺激策を加味しても4%台半ばの成長にとどまるだろう。今後の世界経済の注目点は次の2つである。