デジタル普及のボトルネックとして、主に「デジタル化への投資余力の少なさ」や「業務効率化へのインセンティブ不足」等が挙げられる。どれも介護業界の構造的問題に根差しており一朝一夕に解決できるものではない。この先も日本の社会保障を持続可能なものとしていくためには、介護サービスの供給基盤を強固なものとしていく必要がある。そのために介護サービス事業者は生産性向上に対する不断の経営努力を行い、今回の新型コロナ感染拡大のような危機に対してもしなやかに対応できる強さを持つことが、何よりも重要であり、デジタル化はその手段の一つである。介護サービス事業者の経営基盤を強化するためにも、国はデジタル導入のための資金調達や経営力強化や業務プロセス改善に向けた人材育成等、事業者の努力を側面から支援していくことが求められる。