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2018年12月号トピックス6経済・社会・研究開発

26歳の女性が日本で一番孤独

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2018.12.1

プラチナ社会センター劉 瀟瀟

経済・社会・研究開発

POINT

  • 日本人の中で、孤独を感じているのは実は若者の方である。
  • 特に26歳の女性はライフコースの転換期でもあり、孤独を感じやすい。
  • 若者の孤独感を解消・緩和するための新たなサービスが望まれる。  
孤独は世界的に注目される社会問題となっている。米国では国民の半数近くが一時的ないし恒常的に孤独を感じている、との調査結果※1がある。孤独が国家経済に年間約4.9兆円の影響を与えている※2として、英国は孤独担当大臣まで設置した。

日本では、「孤独=高齢者」が一般的な見方のようだが、当社の 生活者市場予測システム(mif)による年齢別調査によると、実際に最も孤独を感じているのは20代。「とても孤独を感じる」「孤独を感じる」との回答合計は男女とも、ほかの世代を引き離した。最多の26歳女性では33.9%に達した。一方、60代は男女とも10%未満である(図)。

26歳の女性が孤独を感じやすいのは、ライフコースの転換期に当たるためと思われる。まずは未婚女性。厚生労働省の人口動態調査によると、日本人女性の初婚年齢は26、27歳が最多である。つまり、26歳になると結婚、出産する同級生が増え、自分が取り残されているという焦燥感が強まる。同期や友達が結婚したり、配偶者の話をすることについて、「私にはまだ決まった人どころか、付き合っている人もいないので、いいなぁと思うのと同時に寂しさを感じる」(mifのMROC※3での発言。26歳シングル、正規雇用)というのが典型的な声である。

結婚・出産した女性でも、夫の理解があまり得られず家事も一緒にしてくれないと、寂しさに襲われやすい。育児に1人で向き合う大変さを感じ、その相談に乗ってくれる人がいない場合、ネガティブな気分になる。

このように若い女性は孤独を感じているものの、適切に相談できる先は少ないようだ。また、1人カラオケ、1人焼き肉のような、孤独を受け止めるビジネスが徐々に充実してきているが、若い女性の健康と幸福感を向上させるには、「孤独感」自体を解消するサービスやビジネスが必要だろう。例えば、SNS上の気軽な「何でも相談室」や、仮面をつけて互いに「ツッコミ」を入れ、「寂しさ」を存分に吐き出せるリアルなカフェなどが考えられる。こうしたカフェで、カウンセラーがさりげなく相談に乗ることができれば、さらに効果的だろう。 

※1:医療保険会社シグナと調査会社イプソスによる調査。

※2:「ジョー・コックス孤独問題委員会」報告書10ページに、孤独により毎年320億ポンド(約4.9兆円)の影響が出ると記述がある。

※3:MROCは特定のテーマなどについて興味・関心をもつ生活者を集めたオンラインコミュニティーまたは、そのコミュニティーで消費者のインサイトを抽出するリサーチ手法を指す。mifは2012年より常設MROC(女性・シニア)を運営。さまざまなテーマでディスカッションしており、2018年10月までに150万件の発言が蓄積されている。

[図]年齢層別の孤独感

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