医薬品などの有効性と安全性を確認する治験において新しい手法への期待が高まっている。デジタル技術を活用し、医療機関に来院することなく患者の自宅など遠隔地で治験を実施する「分散型臨床試験(DCT)」※1である。米国や欧州などの先進的な国では、治験以外の臨床研究において普及が始まっている。新型コロナウイルス感染症拡大防止への期待から、2022年以降に治験での普及が世界規模で大きく進むことが予想される。
※1:Decentralized Clinical Trials:分散型臨床試験。オンライン治験、リモート治験とも呼ばれる。
※2:海外で承認・使用されている医薬品が日本で承認されて使用できるまでの時間差のこと。海外と格差があったが、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の調査によると2006年度に2.4年だったのが、2022年度には0.7年まで短縮。
※3:「経済財政運営と改革の基本方針2022 新しい資本主義へ~課題解決を成長のエンジンに変え、持続可能な経済を実現~」(2022年6月に閣議決定)。