医学の進展は目覚ましい。日本ではがんの光免疫療法で用いる医薬品が、独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA)の審査を経て、2020年9月に条件付きで承認された。身体への負担が少なく高い効果が期待できる治療法として、世界に先駆けた取り組みとなる。
2021年6月には、世界初のアルツハイマー型認知症の治療薬が、米国の食品医薬品局(FDA)から条件付き承認を受けた。
2050年ごろには治せない病気はほとんど無くなっているのではないかとも言われている。
病の克服は人類共通の願いであるが、手放しで喜べるわけではない。日本の公的な医療介護保険は加入者から徴収した保険料で全てを賄っているわけではなく、4割程度は税金によってカバーされている。2018年に23.0兆円だった医療介護費における公的負担は、当社の試算によると、2050年には54.6兆円程度まで増加する見込みだ。
では、国民の健康寿命を延ばしつつ、財政面でも持続可能な社会を実現するためには何をすべきか。医療介護費の自己負担分を増やすことで公的負担を減らす、あるいは保険の適用範囲を見直すことで支出を減らすなど、社会保障制度の改革を含めた打ち手が求められる。
本稿ではさらなる打ち手の1つとして、社会に「新しい」予防医療を導入することを提案したい。
2021年6月には、世界初のアルツハイマー型認知症の治療薬が、米国の食品医薬品局(FDA)から条件付き承認を受けた。
2050年ごろには治せない病気はほとんど無くなっているのではないかとも言われている。
病の克服は人類共通の願いであるが、手放しで喜べるわけではない。日本の公的な医療介護保険は加入者から徴収した保険料で全てを賄っているわけではなく、4割程度は税金によってカバーされている。2018年に23.0兆円だった医療介護費における公的負担は、当社の試算によると、2050年には54.6兆円程度まで増加する見込みだ。
では、国民の健康寿命を延ばしつつ、財政面でも持続可能な社会を実現するためには何をすべきか。医療介護費の自己負担分を増やすことで公的負担を減らす、あるいは保険の適用範囲を見直すことで支出を減らすなど、社会保障制度の改革を含めた打ち手が求められる。
本稿ではさらなる打ち手の1つとして、社会に「新しい」予防医療を導入することを提案したい。