「キャリア自律」論は1990年代以降、たびたび繰り返されてきたが、まだ日本で効果的に導入されているとは言いにくい。そこで、企業経営や個人のキャリア形成にどのような効果がもたらされるのかを整理すべく、38社の企業人事担当者にインタビューを実施した。その結果、キャリア自律に対する企業のマインドの変化や、社会環境を踏まえたキャリア自律の必要性が改めて見えてきた。その成果を踏まえ、前編では、これまで提唱されてきた労働者目線でのキャリア権との違いや、キャリア自律が企業成長にどのようにつながるのかを解説する。