エコノミックインサイト

MRIエコノミックレビュー経営コンサルティング

軽減税率導入による日本経済及び家計への影響

タグから探す

2016.1.21

政策・経済研究センター坂本貴志

森重彰浩

経営コンサルティング

POINT

  • 軽減税率の経済効果は駆け込み需要の若干の抑制にとどまり、景気浮揚効果は限定的
  • 財政中立を仮定すれば、軽減税率の導入は貧しい世帯から裕福な世帯への所得移転となる可能性も
  • 政府は、財源を確保する際、若年の低所得者世帯などへ負担が偏らないよう配慮することが必要  

目次

1. はじめに

2. 軽減税率導入を考慮した場合の消費増税の経済への影響

 (1)駆け込み需要とその反動


 前回増税時の駆け込み需要は12兆円程度
 次回増税時の駆け込み需要は8兆円程度
 軽減税率により駆け込み需要の反動減は抑制

(2)実質所得減少などによる実質消費への影響


 実質所得の減少以上に消費は抑制
 軽減税率による景気浮揚効果は限定的 

3. 軽減税率による負担構造の変化

食料品への軽減税率は、必ずしも低所得者対策にならない
同じ収入でも、高齢世帯ほど食料品支出割合が高い
貧しい世帯から裕福な世帯への所得移転となる可能性も

4. まとめ