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EUサーキュラーエコノミー行動計画と日本への示唆

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2020.5.15

政策・経済研究センター橋本択摩

経済・社会・技術

POINT

  • 欧州委員会は3月11日、「サーキュラーエコノミー行動計画」を発表、同計画を気候変動対策としてのみならず、産業政策としても位置付けている。
  • サーキュラーエコノミーとデジタル戦略を融合したルール・メイキングが欧州委員会、ドイツ政府主導で進展。EUの規制を満たさない第三国企業の製品をEU域内のサプライチェーンから締め出す動きには警戒がいる。
  • 日本への影響として、欧州に進出する日系製造業にも生産者責任が拡大するリスクがある。また、EU規制のグローバル展開により日本を含む世界の法規制にも影響を及ぼす可能性がある。
  • 新型コロナウイルス感染拡大を契機に、自国優先的な輸出制限措置をとる国が増加。「ポスト・コロナ」の時代、日本にとっても環境問題と経済安全保障の両面から、サーキュラーエコノミーの実現が一層重要となろう。

目次

1. EUサーキュラーエコノミー行動計画の概要

2. EUサーキュラーエコノミー行動計画の特徴

3. 今後の注目点と日本への示唆

(1) 今後の政策決定プロセス ~ブリュッセル、ベルリン主導のルール・メイキング
(2) 生産者責任を巡る議論の行方に要注意
(3) 「ブリュッセル・エフェクト」で日本やアジアの法規制にも影響
(4) 新型コロナウイルス感染拡大で強まる自国優先主義にも要警戒